2018.2.1

パッティングではヘッドアップをしないように、「カップインの音を耳で聞け」と言ったりするが、実はこれ、100年以上も前にジャック・ホワイトというスコットランドのプロが残した言葉、「耳でパットせよ」が基になっている。

ホワイトは1873年にスコットランドに生まれたプロゴルファーで、叔父は小柄ながら活躍したベン・セイアーズ。その叔父に10歳からゴルフを習ってプロになった。

パッティングが得意で、そのためにマッチプレーにはすこぶる強かった。全英オープンにも早くから挑戦し、26歳の1899年には2位になっている。このときの優勝者はバードングリップで有名なハリー・バードンだった。

ホワイトはその後も全英オープンに4位、6位、3位という好成績を挙げ、遂に1904年、31歳で念願の初優勝を遂げる。ちなみにこのときの2位はジェームズ・ブレイドとハリー・テイラーという強豪だった。

ホワイトの優勝スコアは296ストロークで全英オープンの新記録であり、史上始めて300ストロークを切る快挙であった。それも入れ頃外し頃のパットをしっかりと沈めたからだ。

パッティングの最もしてはいけないのは頭が上がること。特に2mくらいのパットは入るかどうかが気になって、思わず顔を上げてボールを見てしまうもの。

しかし、ヘッドアップしてはフェース面がスクエアにはならず、押し出しや引っかけのミスが出てしまう。ボールを打った後もボールのあったところを見ておくぐらい、律することが肝心なのだ。

ホワイトはクラブ作りも素晴らしく、彼がデザインしたクラブは人気があった。ボビー・ジョーンズも気に入って購入し、メジャーに11勝もしたことは、知る人ぞ知る有名な話である。

JACK WHITE

1873年8月15日、スコットランド生まれ、1949年5月24日同地で死去。全英オープンに1891年から挑戦し、ベスト10に10回入っている。1904年に同大会で優勝。彼の作るクラブも定評があり、ドライバーはディープフェースで、低スピンの低弾道でランが凄く出た。ボビー・ジョーンズが気に入り、メジャー11勝を挙げた。そのクラブはオーガスタナショナルGCに展示されている。