2018.12.27

ダイ・リースは1913年に英国のウェールズに生まれ、父がクラブプロであったことから、16歳でプロになった。身長は165cmと大きくはなかったが、決断力があり、攻撃的なゴルフで人気があった。ドライバーも飛距離があり、いつもフェアウェイをキープ。「ファー&シュア」のショットメーカーだった。

英国人として最も取りたい全英オープンは準優勝が3回。’53年はベン・ホーガンに破れ、翌’54年はピーター・トムソン。’61年は1打差でアーノルド・パーマーに敗れている。このときリースは48歳。最後のチャンスをものにできなかった。

しかし、英国人として米国と戦うライダーカップでは大活躍。今でこそ、欧州連合チームとなり、米国と互角の戦いしているが、当時は英国人だけのチーム。それ故、ゴルフ大国となった米国に’33年以来一度も勝てずにいた。

ところが’57年、リースがキャプテンとなり、見事、憎き米国を破ったのだ。舞台が英国ヨークシャー州のリンドリックGCだったから英国人は皆、狂喜乱舞した。(その後はまた欧州連合連合となる’85年まで勝てなかった)。

故に、リースは全英オープンこそ、あと一歩で純銀のカップを抱くことができなかったが、英国では英雄である。

そして、そんなリースが遺した言葉が「バックスイングの速過ぎる者に、一流プレーヤーはいない」というもの。

「飛ばそうとすると、どうしても打ち急いでしまう。ゆっくりとバックスイングして、十分に力を溜めてからダウンスイングすれば良いショットが打てる」

当たり前のことだが、我々アマチュアはボールを打つとき、そのことを忘れてしまう。イギリスの英雄、リースの言葉を胸に刻んでショットを打とう。

DAI REES

1913年3月31日、英国ヨークシャー生まれ。父がクラブプロだったことで、幼少よりゴルフに親しみ、16歳でプロに。欧州ツアーで通算39勝。1983年9月10日、70歳でロンドンにて死去。