2017.6.21

[vol. 007]

パナマハット


忘れられないシーンがある。
銀座のパナマハット。

打ち合わせに出かけた銀座のはずれの裏通り。道路脇に停められた古いジャガーは、艶かしく輝くようなチャコールグレー。後部座席のトレーに置かれたパナマハットは真新しい。(大人っていいな。)と思ったそのシーンは、時々思い出す一枚の写真になった。

それっきり忘れていたパナマハットが、最近、目に付くようになった。気付けば、街にハット屋も増えていた。銀座の店の敷居を高く感じた僕は郊外の店を訪れた。帽子好きの二人が友達のように経営しているところだった。「リボンはどうします?」勧められるままに、レジ横にある見本の中から選ぶ。「変えたくなったらいつでも、いらしてください。メインテナンスの相談も。」初めて被って出かけた時は、気恥ずかしかったけれど、すぐに慣れて、(帽子ひとつで様になるな)と、服に手抜きも出来るようになった。そして知人に勧めるようになり、自分も買い足していった。

あの日、打ち合わせが終わり、同席のコピーライターの人と階段を下りる。「乗っていく?」あの車は、その人のものだった。するすると走り出す車を見送ると、置かれたパナマハットが「じゃ、またね。」と手を振っているようだった。20年近く前のこと。

製品詳細

夏のファッションに欠かせないものとなったパナマハット。プロがトーナメントで使用されていると目立ちますね。クラブオノフでは、上質な大人のライフスタイルに合う商品として、エクアドル産の高級パナマハットを用意しました。パナマハットの名で販売されていても、本当にトキヤ草で作られているものは意外に少なく、また丁寧に、綺麗に編まれているものは稀少です。このハットは、日本を代表する帽子メーカー「中央帽子」がエクアドルに訪問して別注したものに、さらにオノフ流のアレンジをしていただきました。日本人に合うシェイプで、さらに本場の高い職人技術と日本メーカーのこだわりが生み出した逸品です。サイズは、56,58,60cmの3サイズ。56cmはユニセックス対応でクロスリボン仕様。丁寧に扱えば、数十年も使用できるという本パナマハット。ゴルフとライフスタイルに取り入れられたらいかがでしょうか。

紀元前1500年ごろにルーツを持つと言われるパナマハット。現在の形になるまでには世界史に関わる歴史がありました。インカ帝国時代にはスペインの侵略に合い、その影響でソンブレロの形を取り入れていきます。入植したヨーロッパの人たちが、赤道直下の暑さに耐えかねて帽子を求めたからでした。

パナマハットと呼ばれるようになったのは、そんなに古くからではありません。諸説がありますが、1)パナマ運河建築の労働者が愛用していた、2)ルーズベルト大統領がパナマ運河でプレゼントされた、3)パナマ港から出荷されていた、等々。地図で見ますと、パナマとエクアドルはちょっと距離があります。

パナマハットの良し悪しを判断するひとつの方法に、内側からトップを見る方法があります。細かく、均一な太さ、模様の美しさが判断しやすいのです。細く、本数が多くなる程グレードも高くなり、密度も細かくなり、耐久性も上がります。

日本人向けの特別なシェイプ。クラウンは垂直近くに立ち上がり、トップをフラットに窪ませています。耳から上を短く見せると同時に、程よく深い被り心地を実現しています。 ブリーチされたホワイトにオノフレッドのリボンで、オノフのダンディスタイルになっています。

トキヤ草の編み上げは、職人が木型の上にクッションを置き、胸に当てながら丁寧に一本ずつ行います。きつく編まれるために、しなやかさも生まれます。美しい編み列を生むのは職人の長年の技術と感性。中腰で何時間も続けられるこの作業は大変な重労働で、必然的に職人も少なくなっています。

ハットは何種類もの被り方で楽しむことができます。つばを下げたり、上げたり。前下がりに、斜めにと。深く被ったり、浅く被ったり。自分でアレンジできる力を持ったファッションアイテムです。
ツバは、長年の使用で癖もつき、使い込んだ風格も出てきます。

製品一覧

  • ■パナマハット(YOK4517)
  • 価格:\25,000(税別)
  • 素材:本体=指定外繊維(トキヤ草)100%、飾り部分=レーヨン100%
  • サイズ:56cm/58cm/60cm
  • カラー:ブリーチホワイト
    made in Ecuador
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