2017.8.9

[vol. 009]

ブックスタンド


「何の本を買ったの?ビジネス書?」
「いや、優しい本だよ。」

馴染みの小料理屋のカウンターで、友人は隣の椅子に置かれた書店の袋を見て尋ねる。説明するのをためらって、話をそらした。家のブックスタンドに置く用の本だ。

子供が小学校に上がった頃から、リビングにみんなのブックスタンドを置くようにした。そこに置いてあるものは家族が好きに読んでいいという本だ。最初の頃は、子供が童話や「~のしくみ」みたいな本を置いていたのだけれど、その後は僕が供給するばかり。たまに、料理の本も並んでたりする。これは「料理を手伝って」という妻からのメッセージ?と勘ぐったりした。
定期的に本を供給するというのは、思ったよりたいへんで、読んでためになるという規準は次第にゆるくなり、自分が昔に読んだものが多くなった。特に思春期に読んでいたものに。10代の半ばに差し掛かった息子にはちょうどいいと思っている。自分にとってもそれらの本を読むのは久しぶりで、手放したものは買いなおしたりした。

袋に入っていたのは、サンテグジュベリだ。誰かにあげたり、無くしたりして、これで買うのは4回目ぐらいだ。仕事に追われて、心がすさみそうなった時に最後の方だけ読みたくなる。どこかにいってしまった「かもめのジョナサン」や「ライ麦畑でつかまえて」も並べたいと思う。10代の頃の本で、そのころの気持ちや体が戻るような気がする。ボールの行方を気にせずに、振り切っていたあの頃に。

製品詳細

今回、ご紹介するブックスタンドは、石巻工房によって製作されています。石巻工房は、宮城県石巻市沿岸部の商店街で2011年の被災後に生まれました。当初は東京のデザイナーを中心とした有志が補修道具や木材を工房となる場に集めて提供し、復旧・復興のために自由に使える公共的な施設としてスタートさせました。地元の人々によるDIYの活動は、地域の復興支援になったり、自分たちの店舗の再生に役立てられました。「石巻工房」ブランドが立ち上がった後には、若手デザイナーが、デザインを供給し工房で丁寧に家具などが作られています。
クラブオノフで取り扱うブックスタンドには、その思いが込められています。商品デザインは、「石巻 まちの本棚をつくろうワークショップ」にて生まれました。木材は、特別に変更されたレッドシダーで、耐久性の高さや美しさが評判で、石巻工房を代表する材料です。 デスクやテーブル、家具等の上で映える商品です。10,000ポイントの交換商品になりますが、ぜひお手元に置いていただきたい逸品です。

未曾有の災害を背景に生まれた石巻工房。設立後にはデザインワークショップを開催するなど、コミュニティの場としても運営。地元の高校生や子供たちへの技術指導で将来を担う人材育成にも協力しています。現在でも、雇用情勢が厳しい被災地において、元寿司職人である千葉隆博工房長をはじめ常時5名のスタッフが働いています。

東京にはショールームもあります。古い印刷工房をリノベーションしたショールームは、小さな工房も併設しています。1階は石巻工房の代表的な家具の展示と工房スペース。2階ではリビングやダイニングといった暮らしのシーンのなかで、石巻工房の家具をご覧いただくことができます。(photo:takumi Ota) http://ishinomaki-lab.org/showroom/

通常販売されているブックスタンドに使用されるのは杉の木ですが、クラブオノフ製品には、レッドシダーを使用していただきました。耐候性が高く、ウッドデッキや建物の外装に多く使われ、無塗装の状況で10年ほど使用可能といわれている木材です。
そのため、屋内使用はもちろんですが、無塗装でも屋外使用が可能です。

デザインは三澤直也氏。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学校卒。
主な受賞に、石巻工房デザインコンペティション優秀賞、Erik Jorgensen Design Award 2011(デンマーク)優秀賞、8th Gandia Blasco International Outdoor Furniture Design Competition(スペイン)最優秀賞など。

製品一覧

  • ■ポイントギフト
    石巻工房製 ブックスタンド
  • 素材: レッドシダー
  • サイズ: 幅=360mm、奥行き=262mm、高さ=262mm
  • made in Japan
    必要ポイント数: 10,000pts

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