2019.1.29

[vol. 011]

ディーヴァの世界ゴルフ旅


旅するひと = 中丸三千繪なかまる・みちえ

オペラ歌手。86年、小澤征爾指揮による新日本フィルハーモニー交響楽団の『エレクトラ』でデビュー。翌年イタリアに渡り、ルチアーノ・パヴァロッティ・コンクールで優勝。90年にはマリア・カラスコンクールでイタリア人以外初の優勝者となるなどの経歴を持つ。札幌国際CC、札幌GC、帯広国際CC、十勝CC、旧軽井沢GC、廣野GC、フェニックスCC、エメラルドコーストGL(以上国内)、ヴィラ・デステGC(イタリア)のメンバー。

フェニックスのクラチャンが教えてくれたこと

昨年12月、エジプトでヴェルディのアイーダの主演を務めてきました。カイロ・オペラハウスの30周年を記念したもので、今から150年近くも前に初演が行われた地で歌うという貴重な経験をすることができました。

滞在中はもちろんゴルフも。なにしろ1カ月間に25ラウンドした記録を持つ私です。1年の半分を海外で過ごし、仕事で世界中を旅する時も必ずゴルフをしています。

ゴルフに真剣に取り組むようになったのは2011年からです。それまではスコアをまったく気にすることなく、旧軽井沢ゴルフクラブ(長野)をのんびり回るお遊びのゴルフしかしていなかったのですが、それが一変してしまう出会いがフェニックスカントリークラブ(宮崎)でありました。

ある時、私は無謀にも歴代のクラブ選手権やシニア選手権のチャンピオン3人と回ることになり、それまでとは別世界のゴルフを目の当たりにして、ゴルフに対する考え方が一変したのです。彼らが本当に純粋にゴルフに向き合っている姿は感動的で、私も真剣にやってみたいと考えるようになりました。

以前から仲良くしていただいている青木功プロに“(本当の意味での)ゴルフデビュー”を宣言したところ、「待ってたぞ」と大歓迎してくれました。あれよあれよという間にクラブ工房に連れて行かれて道具を新調したと思ったら、某ゴルフ場を貸し切って、マンツーマンでラウンドレッスンしてくださったのにはちょっと驚きましたが。

現在、国内では旧軽とフェニックスの他、北海道内の4コース、廣野、そして宮古島のエメラルドコーストゴルフリンクスに入会しています。どこも挑戦のしがいがあり、それぞれに個性があるので違った楽しみ方ができますし、北海道と東京に家があり、車で何時間もかけて行くよりも飛行機で行ったほうがずっと時間を短縮できるのも魅力です。 なかでもフェニックスはラウンドする機会が多く、フェニックストーナメントを観戦した翌日から競技設定のままのコースを3日間連続でトーナメントティから回ったこともありました。普段からレディスティを使わず、白ティか青ティを使っていますが、あの時はさすがに長かった。でもいい経験ができました。

上の写真はエジプトのウェスティン・カイロ・ゴルフリゾート&スパ,カタメヤデューンズ。リゾートホテルを取り囲むようにニック・ファルドゴルフコース(27ホール)が展開します。左上・右上=フェニックスカントリークラブ。日向灘に面し、天然の松林でセパレートされた美しくもタフなシーサイド コースです。左下=ゴルフ仲間の川淵三郎さん、 村口史子さん(オノフ使用プロ)と。右下=トム・ワトソンさんとプライベートラウンド。ワトソンさんはディナーの前に、私のために歌声を披露。お礼に私も歌でお返しをしました。

宮古島でプロとゴルフ合宿

フェニックスのクラチャンとのラウンドでゴルフに目覚めた私は、修行の場を求めて宮古島に渡りました。宮古島は飛行機免許を取ろうと思い、訓練で上空を飛んでいた時、その美しさにひと目惚れしていた場所です。

ゴルフ合宿のコーチはエメラルドコーストゴルフリンクスで偶然知り合ったおじいちゃんプロ。早朝のボール拾いに始まり、トレーニング、600球の打ち込み、2ラウンドを繰り返し、昼はカートで私が作って来たおにぎりを食べる毎日です。これをみっちり2カ月間続け、東京でコンサートがある日は宮古島から通いました。

もともと水泳をやっていたので体力はあるほうだと思います。それに、声楽とゴルフは使う筋肉が共通しているところがあって、筋トレが双方に役立つんです。体力を維持するため、日々トレーニングに励み、昨年春に北海道にトレーニングセンターも造りました。

一時はゴルフのために歌を辞めちゃおうかしら、とさえ思うくらいに入れ込みましたが(笑)、その甲斐あってか、最初の2カ月の合宿が終わる頃にはコンスタントに41~42で回れるようになりました。その後入会したフェニックスで初めて取得したハンディが16.6。3年後には11.1にまで減りました。現在は当時に戻すべく、立て直しを図っているところです。

今も毎年2月から4月頃は宮古島に行っています。東京の師匠である谷将貴プロのラウンドレッスンを受けることもありますし、若手の女子プロと集中合宿を行うこともあります。いつのまにか1日2ラウンドしても苦にならなくなり、女子プロ達と同じメニューをこなしていても、プロが先にギブアップしてしまうこともあるくらいになりました。

宮古島観光大使として例年、全日本トライアスロンの実行委員を務め、国歌斉唱やメダル授与をするのも恒例になっています。私もトライアスロンをやってみたら?とよく言われますが、バイクの150kmが少々ハードなので手を出さずにいます。50kmくらいならいけるのですが…。

上の写真は宮古島と来間島を結ぶ来間大橋。来間島は砂浜でバンカーショットの特訓をした思い出の場所です。左上=エメラルドコーストゴルフリンクス。沖縄屈指の透明度を誇る海と東洋一美しいといわれる前浜ビーチに隣接しています。右上=名物ホールの16番パー4。バックティやレギュラーティから回ると海越えのスリルを存分に味わえます。左下=全日本トライアスロン会場にて。当日はスターターも務めます。右下=谷将貴プロと宮古島合宿。

イタリア・コモ湖近郊の名門倶楽部

クラブは片山晋呉プロも使用しているオノフさんにお願いしています。私専用にカスタマイズしたものを同じスペックで数セット作ってもらい、北海道、東京、宮崎、イタリアなどに置いています。

イタリアの家はミラノから北へ1時間ほどのコモ湖畔にあります。ここは世界的に知られたリゾート地で、湖畔に点在する歴史的な邸宅を別荘にしている人が少なくありません。私も家からボートを出して遊ぶことがありますが、ハリウッドスターなどの別荘をよく目にします。

ゴルフはヴィラ・デステ・ゴルフクラブに入会しています。ロンバルディア州のゴルフコースには歴史的な建築物や見事な自然景観を誇るところが多く、ヴィラ・デステGCもそのひとつ。手入れの行き届いたコースや重厚なクラブハウスは実に居心地がよく、以前はホテル・ヴィラ・デステが所有していた歴史もあり、スタッフのサービスも申し分ありません。

ホテル・ヴィラ・デステはイタリアで最も知られたホテル。コモ湖畔の25エーカーの敷地に壮大な庭園や16世紀から存在する建物、イギリス皇太子妃の別荘として建てられた邸宅などが点在しています。もし、コモに来られることがあったらこのホテルに泊まってゴルフというのもおすすめです。

写真はいずれもイタリアにて。ヴィラ・デステ・ゴルフクラブのクラブハウスはシックで落ち着いた雰囲気。メンバー達は食事をゆっくり楽しんだり、おしゃべりに花を咲かせたりと、思い思いの時間を過ごしています。右下の写真はMyカート。いつもこれでラウンドしています。

日本では1月11日のニューイヤーコンサート グランシップで2019年の幕開け。2月2日はユアタウンコンサート南陽公演で山形に行く予定です。皆さまとお会いできるのを楽しみにしています。

Find Information
フェニックスカントリークラブ
世界トップ100、日本トップ3にランクイン。ダンロップフェニックスの舞台としても知られる。高千穂→住吉コースはバック6956ヤード、コースレート73.9。
宮崎県宮崎市大字塩路浜山3083
27H 10262Y P108
開場/1971年
設計・監修/大橋剛吉、大橋貞吉
エメラルドコーストゴルフリンクス
東洋一美しいと言われる前浜ビーチに隣接。自然の入り江を越えて打つ16番や海に突き出た砲台グリーンと天然ビーチバンカーの18番など絶景ホールが連続。
沖縄県宮古島市下地字与那覇1591-1
18H 6912Y P72
開場/1988年
設計/宮澤長平
宮古島観光協会
宮古島の情報はこちらで。
Villa d’Este Golf Club(ヴィラ・デステ ゴルフクラブ)
北イタリア・ロンバルディア地方にある名門倶楽部。パー69でコースレート71と難度が高く、公式アマチュア競技なども数多く開催している。メンバーは超セレブ揃い。
Via per Cantù, 13, 22030 Montorfano CO
18H 6331Y P69
創設/1926年
設計/Peter Gannon
The Leading Hotels of the World(ザ・リーティングホテルズ・オブ・ザ・ワールド)
ホテル・ヴィラ・デステをはじめ世界の高級ホテル&リゾートを予約可能。
Pickup Item

オノフの限定製品イクイップメント、ラボデザインシリーズから渋い色合いの商品を選びました。ノスタルジックな旅行を連想させるデザインです。