トラベルシリーズ / PRODUCTS INSIDE STORY Vol.017

１年ぶりの彼とのゴルフはツーサムになった。彼のホームコースは、冬でも割と温かく、楽しいラウンドだった。ゴルフの後、少し離れた城下町で落ち合い、夕食をとった。
ノンアルコールのドリンクでカチンとグラスを鳴らし、その日のゴルフを振り返った。

「この後、どうするの？」
「ん、ちょっとドライブかな。海沿いを走ってどこかで一泊するよ。」

日没ギリギリのドライブは、数分ごとに光が変わり美しかった。夕焼けのオレンジと夜の濃紺の混じる空と海に、何度か車を停めて写真を撮った。水平線に上る星も美しい。
静かなホテルを選び、布団で横になった。温泉に入るのは後回しにしてゆっくり休む。

「夜中、ちょっと１時間ぐらい出かけますので。」
内線でフロントに伝えておいた。

11時過ぎに目覚めると、服を着込んで車で南端を目指した。真っ暗な中を走り続けると、細い道の先に灯台があった。夜は駐車場もフリーだった。灯台の下からタンカーの赤い光点を眺める。東京湾の入り口にはたくさんの点がある。灯台を降りる途中、「ボォー」と霧笛が聞こえて振り返ると、満天の星だった。空を縦断する天の川。本当に宝石を散りばめたようだ。空に吸い込まれるような気になって、心がすぅっと澄んでいく。こんなにたくさんの星を見るのは何十年ぶりだろう。

翌朝早くに宿を出ると海岸線に出てサーフィンを眺めた。自分と同じぐらいの人も多かった。一人でいるところを見ると、定期的に来ているようだ。サーフィンが生活というか人生に溶け込んでいるような気がして、あんな風に自分もゴルフを出来たらとうらやましく思った。

昼過ぎに自宅に戻ると妻が料理本とにらめっこしながらキッチンにいた。
「これ、お土産。」と海岸で拾った桜貝を置いた。

製品詳細

クラブオノフから新しくトラベルシリーズが生まれました。ゴルフと旅を楽しむゴルファー向けの商品です。ゴルフは一日もしくは半日がかりで遠くに出かける旅にちかいものですし、前後に足を延ばせばさらに愉しい週末になりそうです。

毎週の小さな旅に耐えるモノづくりで、選んだのは倉敷の高級帆布です。日本でも有数の帆布工房「タケヤリ」さんの協力で最高品質の素材が手に入りました。キャディバッグとシューズケースは8号の生地を使用しオノフ定番の帆布バッグを生産する工場で作りました。ゴルフにも旅にも使えるボストンバッグとショルダーバッグは、タケヤリさんの自社ブランド「UNDER CANVAS」への別注モデル。こちらは２号の生地を使用しています。いい帆布を作るのは難しく時間もかかりますが、その分素晴らしいものが出来上がります。ぎっしりと目のつまった質感、滑らかな触り心地。それぞれに使い勝手に工夫を凝らした仕様になっています。色は漆黒のブラックに、アクセントとして赤を使用。オノフのクラブシリーズ「赤」「黒」も映えるデザインです。ゴルフと旅を誘うトラベルシリーズをぜひお試しください。

キャディバッグにはWネームの証としてタケヤリのラベルが、ボストン・ショルダーにはUNDER CANVASとのコラボ・レザーパッチがそれぞれ内側に着いています。タケヤリは創業1888年で、極厚から薄手帆布まで豊富な種類を織っている日本で唯一の機屋です。またシューズケースはアドセップ消臭レーヨンをインナーに採用しています。

帆布の号数は、生地の厚さを表します。写真上が2号、下が8号です。写真でもその違いがお分かりいただけると思います。少ない数字のほうが厚くなり、生産が難しくなり、縫製にも特別な技術が必要になります。帆布は丈夫な平織に加え、複数の糸を撚り合わせることで強度を増し、目が詰まっていることから防水性にも優れています。

黒に赤のポイントは、レザー部やインナーに使用しています。キャディバッグの口枠もボア付きの赤です。バッグをのジッパーを開ければ、内側のライナーも赤です。金具はアンティークゴールド。ファッショナブルなオノフらしい配色にしました。

日常的な使用を考慮したボストン・ショルダーバッグでは栃木レザーを使用しています。ヨーロッパの高級バッグブランドにも使用される革はきめが細かく、丹念な鞣しの跡が窺えます。また使用につれて柔らかく手に馴染んでいきます。

ボストンバッグには取り外し式のポーチが付属します。貴重品や財布を収納したり、旅先でショルダーバッグにも簡単に入れ替えできる便利なグッズです。洗顔関係の小物を入れたりと、皆様のご使用方法に合わせてご利用ください。またバッグの内側にはポケットがふたつあります。底にはアンティークゴールドのフットがあり、汚れを防止します。