2024.08.08
昨年12月に行われたQT(クオリファイング・トーナメント)で8位となり、今季ツアー前半戦の出場権を得たチームオノフの重永亜斗夢。開幕戦で4位タイに入り、再シード獲得に向けて好スタートを切った。ツアー後半戦の試合出場にも目途が立ち、6年ぶりのツアー通算2勝目への期待も高まる。そんな重永の近況をインタビューした。
- 今季は再シード入りを目指してのツアー出場ですが、開幕戦で優勝争いに加わり、4位タイでフィニッシュしましたね。
重永
いきなりの好成績に僕自身が驚いています。昨年のツアー後半戦からゴルフの調子が上向きになり、QTでは8位。1月まではその好調さを持続できていたのですが、その後、体調を崩したりインフルエンザにかかったりと2月は練習がまったくできず散々だったからです。
お陰でゴルフの調子は下降気味になるし、メンタル面にも悪影響を及ぼして、様々な不安に襲われ始めました。
3月に入ってからはローカルのトーナメントに4、5試合出場しましたが、調子は上がりませんでした。また、新たにドライバーの調整を行なう必要がありました。
- トラブル続きでツアー開幕戦を迎えたのですね。
重永 そうなんです。不安ながらティーオフしたのですが、大会初日を2バーディー・2ボギーのイーブンパー(77位タイ)で回れたことでひと安心できました。そして2日目は、自分がビックリするほどショットが良く、パットも打てば入る状態に激変しました。初日のパットはうまく打てていたのにカップインできなかっただけに明日(2日目)はハマれば入りまくるはずだ!と自分に言い聞かせていたのですが、まさか!そんなにうまく行く?ってほど気持ちよくパットが決まってくれました。
- それが4連続バーディーを含むハーフ7バーディーの28に結びついたのですね。
重永 ハーフ最少記録タイのスコアをマークして気持ちが俄然前向きになったというか、軽くなりました。「やれるんだ!やればできるんだ!」って。
- 62のビッグスコアを叩き出し、10位タイに急上昇。予選カットをクリアしただけでなく、優勝争いに加われる好位置につけました。
重永
結果は4位タイに終わりましたが、2018年に優勝した大会だけにコースの相性も良く、ショットイメージも湧いてくる。とにかく気持ちよくプレーできて自信回復をもたらしてくれたと感謝しています。
不安要素たっぷりで迎えた開幕戦でしたが、その不安をすべて払拭してくれた一戦になりました。リランキングをクリアする目途が立ったのも嬉しかったです。
- 出場2戦目となった中日クラウンズ初日は78位タイと出遅れましたが…。
重永
前半アウトコースでスコアを作り、後半インコースは耐えるのがセオリーの大会ですが、それがうまくできなかった。2日目なんてスタートホール早々にトリプルボギーを打ってしまい、「さすがに今週は予選落ちかな」という思いを抱いた次第。でも、大勢のギャラリーから「まだまだ!重永これから、これから。頑張れ!」とたくさんの声援を受けたのです。2番ティーに向かいながら「そうだよね。諦める必要はないよな」って思ったことで、気持ちが前向きになりました。
そして2番ホールから3連続バーディーが取れた。焦らずにプレーできて、出だしの躓きから立ち直れて、1アンダーでフィニッシュし、予選通過できた。これも自信になったのはもちろん、ギャラリーの声援で救われたのも大きかったと思います。精神的にもゴルフ的にも昨年よりも進歩していると実感できた一戦ですね。
- 精神的とは?
重永 落ち着いてプレーできるようになったというか、イラつかなくなったというか。ミスをしても「仕方ないか」と受け流せるようになり、次の一打に集中できるようになり、気持ちの切り替えがうまくできるようになったと感じます。気持ちが安定し、焦らなくなったというのが正しいかもしれません。
- ゴルフ的とは?
重永 パットが不調だったのですが、昨年の秋にパターを中尺モデルに替えてからは悩みがなくなり、予選通過が増え、QTもクリアし、そして開幕戦ではハーフ28をマークできた。パットがとても良くなったことです。
- シード権奪還も現実味を帯びてきましたね。
重永 リランキングはクリアできる順位に入りました。焦りも心配もない。ツアー後半戦は昨年のトップテン入りの成績で出場できる試合が多いので、これも好材料だと考えています。シード獲得を意識せず、淡々とプレーしていけば結果はついてくると思います。
- いっそのこと優勝といきませんか。
重永 いいですね。でも欲張り過ぎるのは良くない。目の前の一打に集中する。それを積み重ねていきたいです。みなさんの声援が力になりますから、これかもよろしくお願いいたします。
- もちろん、応援し続けます。頑張ってください。