2018.9.20

グランドスラムを達成し、28歳の若さで引退したボビー・ジョーンズ。球聖と謳われたジョーンズも、若い頃は飛距離を求め、なかなかメジャーを制することはできなかった。

特にジョーンズはドローボールが持ち球だったため、ドライバーショットはランが出て、300ヤード以上も飛ぶことがあったが、アイアンショットはグリーンに止まらず、ピンチになることが多かった。

それは当時のゴルフコースがスプリンクラーなどなく、フェアウェイやグリーンは乾いてしまうと異常なほど硬くなってしまったからだ。

せっかくドライバーで飛ばしても、アイアンでグリーンに止められなければバーディはおろか、パーさえ取れなくなる。

そこでジョーンズが考えたのが、柔らかく打つこと。これをソフトショットと呼んでいたようだ。

ジョーンズの言った言葉が残っている。

「私は常に適当と思われるより大きいクラブを手にとって、ボールを柔らかく打つようにした。私はアイアンを力一杯打たないことによって成功したのだ」

今では強く打てばスピンがかかって止まるようにも思えるが、当時の硬いグリーンではスピンが解けてしまい、強く打ったドローボールの勢いが勝って、グリーンオーバーしてしまう。柔らかくボールを打って、ふわりとグリーンに落としたほうが止まったということなのだ。

しかも大きめのクラブで打てば、力むことがなくなり、スムーズにクラブを振ることができる。スイングが良くなり、ミート率も方向も良くなって、ピンを刺すようなショットが打てるようになる。

ジョーンズが自ら「成功」と語るゴルフができるようになったのだ。

BOBBY JONES

1902年3月17日、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタに生まれ、1971年12月18日同地で逝去。’30年に史上初となるグランドスラムを達成、28歳の若さで引退する。その後、オーガスタナショナルGCを造り、マスターズトーナメントを開催する。