LAST UPDATED:2025.10.26
プロインタビュー vol.77
重永亜斗夢
レギュラーツアーの舞台へ再び戻りたい!チームオノフの重永亜斗夢が、その一心で戦い続けている。シード権を失い、ツアー出場資格を争うクォリファイングトーナメント(QT)では思うような成績を残せず、今季は推薦出場で数試合に出場している。持病の潰瘍性大腸炎に加え、腰痛にも見舞われ、思うようなプレーが出来ない中、5月の「太平洋クラブチャレンジトーナメント 2025」では単独2位の成績を挙げた。復調の兆しに思えたが、現実は厳しかった。その後は好成績を挙げられずにいる。再起を目指す重永の現況をインタビューした。

――今季はレギュラーツアー開幕戦、18年にツアー初優勝を飾った東建ホームカップに出場しましたよね。
重永 歴代覇者として出場させて頂いたのですが、実は体調は万全ではありませんでした。マッサージガンで体をセルフケアして臨んでいたのですが、残念ながらその時よりも今の方が体調は良くないんです。
――どこか痛めたのですか。
重永 昨24年の8月に持病が出て1週間ほど休んだのですが、体重が54キロにまで落ちてしまい、体力と筋力アップを目指してトレーニングを始めたのです。ハード過ぎたのでしょうか、その反動で腰痛となり、1試合ほどスキップしました。最初は左腰だけでしたが、やがて右腰も痛みだし、それからはトレーナーを帯同してツアーに臨んだのです。それでも腰痛によってショットは曲がり、以前からのパット不調もあって昨年はシード権を失い、サードQTを突破できませんでした。

――腰痛を抱えたのではパフォーマンスを発揮できませんね。
重永 右にも左にも体重を乗せられない。体の両サイドが動かず、ダウンスイングでは手元が低く下りて来すぎてショットは左へ曲がってしまう…。
腰の痛みでショットが安定しない。インパクトのタイミングが合わない。ボールがどこへ飛んで行くのかわからない。スイングを動画撮影してみるとバックスイングがバラバラで安定していませんでした。練習場では球数を打てるので、ショットがそこそこ収まってきますが、コースともなると一球しか打てませんし、トップスイングが定まらない。試合ではショットを曲がり散らかすばかりです。

――そんな状態でも5月の下部ツアー「太平洋クラブチャレンジトーナメント 2025」では単独2位の好成績を挙げました。
重永 今季一番のゴルフが出来た結果です。ショットとパットが上手くかみ合ってくれました。でもそれ以降は、そのショット感覚をなかなか取り戻せないもどかしさを感じています。体が自然に動かず、ギクシャク感ばかりで、どこか不安を抱えてプレーしているのです。
「きっかけ」をつかみたい。練習場ではなく試合で調整できることが大切だと思うんですよね。ツアーで毎週ラウンドできるならともかく、自分のせいで今年はツアー出場資格を喪失し、QT落ちによって推薦出場しか術はありません。 ツアープロに転向して12、13年が経ちますが、ゴルフがこれほどまでに上手く行かないのは初めてです。「どうしてなんだろう?」とモヤモヤしながらプレーしているのが実情です。

数年前から思っていたことですが、一緒に練習ラウンドをして頂いている手嶋(多一)さんや谷口(徹)さん、武藤(俊憲)さんら先輩プロを見て、体の変化に対応しながらシード権を保持し続けるって凄いことなんだと。体のいたるところに痛みを抱えていたり、体が硬くなったりして思うようなスイングができなくなったり、飛距離が落ちたりするのに上手く対応して戦っているなと感心するばかりです。
コース距離設定がタフになり、若手プロも台頭して飛距離も高いレベルの技術も求められる。年齢が年齢なので「戦えません」とは言えませんし、一プレーヤーとしてしがみ付いてでもプレーしていきたい。低迷していた選手が再起した例も少なくありませんから、自分も足りない部分を強化し、復活したいと強く思っています。諦めたら、そこで終わりですからね。

10月の下部ツアー最終戦「ディライトワークスJGTOファイナル 2025」
では、アンダーパースコアをマークして予選通過を久しぶりに果たし、3日間プレーできたのは、これからのQTに向け、自信になりますし、一筋の光明が見えた気にもなります。この試合ばかりはトレーナーに帯同してもらい、ラウンドの前後だけでなくハーフターン待ちの空き時間にもケアしてもらったのです。お陰で腰の不安を抱えずにプレーできたのが大きかったと強く思います。
――オノフの新KUROドライバーが登場しましたが、試打しましたか?
重永 はい。第一印象は、「とにかく易しい」の一言です。芯が広く、多少のミスヒットでも飛距離ロスがほとんどありません。方向安定性も高く、平均飛距離が確実にアップすると感じました。即投入するには、まだ調整が必要だと思ったのですが、強い味方になってくれると確信しています。このクラブで来季ツアーの出場資格を手にし、ファンの皆様の期待に応えたいと思っています。頑張りますので、これまで以上の応援よろしくお願い致します。
――復活を祈念しています。頑張ってください。





