LAST UPDATED:2025.04.18
Products Inside Story vol.31
2025 ONOFF LADY対談(後編)

3月発売
2025 ONOFF LADY。
企画・開発・宣伝の担当スタッフによる制作ストーリーを裏話の数々と共にご紹介します。

左=クラブ開発担当 辻浦
入社以来、ゴルフクラブの開発一筋。企画をもとに設計を起こし、実際のモデルへと形作っていくスペシャリスト
右=クラブ企画担当 冨張
日本女子ミッドアマ決勝進出などの経歴を持つ競技ゴルファー。国内、海外の各地で販売店中心の営業を経験後、ONOFF LADY 2025の企画を担当

M「目指したのは品のあるシンプルデザイン」
M辻浦 今回の2025 ONOFF LADYで難しかったのがデザインのシンプル化。ひとつまちがえると安っぽく見えてしまうし、かえって華やかなデザインのほうがハードルは低いんです。
冨張 しかもオノフレディには『凛として、しなやか。』という大きなコンセプトがあります。それを踏まえたうえでシンプルに抑えた、品のあるデザインを目指す必要がありましたからね。
辻浦 試作を重ねていく過程で企画部門と開発部門の意見が飛び交って、現場がヒートアップしたこともありました。どちらもとにかく妥協しないので(笑)。
冨張 ソールやシャフトのモチーフをこれまでの市松模様からダイヤモンドパターンに変える時もそうでした。今回初めて搭載したジュエルウエイトスクリューに合うのはこのパターンなんですと訴えて、なんとか納期に間に合わせてもらいました。
辻浦 そうやってできあがったデザインに合わせる色の調整にもオノフレディは時間をかけていますよね。同じ色を使ってもプリントの方法や、つや出しにするかマットにするか、また、パーツの素材によっても発色が変わってくる。1本のクラブに組み上げた時に統一感を出すための欠かせない工程です。
冨張 何パターンも組み合わせを作っては絞り込み、改善して最終的に勝ち抜いたのがこのデザインとカラーリングです。ぜひショップで実物をご覧いただきたいですね。

M冨張 そしてもうひとつ。今回はシャフトのカラーリングにも新しい技術を取り入れました。
辻浦 シャフトの色がごく自然に先端のシルバーへと変化していくロング・グラデーション。ちょっと高度な技術です。
このシャフト先端のシルバーの色味はヘッドクラウンの紫とのバランスを考えて調整したので色合いがよく、構えやすいカラーリングになっていると思います。
M「女性に人気の、残響のある打球音。これを作るのが難しいんです」

M冨張 機能面ではパワートレンチ(ソールの溝)を逆アーチ型にしたのも大きな特徴です。その結果、前作よりも打点のブレに強いクラブになりました。
これまでの調査で女性は左右の打点ブレが多いというデータがあったんです。
辻浦 そこで、多少ブレてもボール初速が落ちないように溝の幅や湾曲の度合いなど、もっとも効果の出る構造を考えました。
クラブヘッドの金型は一般的に男性用と女性用を共通で作っているところが多いですが、オノフレディは専用の金型を起こし、女性のスイングに合わせてクラブ性能を発揮できるようにしているんです。
冨張 ウエイトスクリューもボールがつかまらない人が多いというデータに基づいて、ヒールバック方向に配置しています。振りやすさ、つかまり感が向上して、パワートレンチで安定感が増したことで飛距離アップを期待できるクラブになったと思います。

M冨張 今回は打球音の心地よさにもこだわりましたね。
辻浦 音の好みにも男女差があるんです。男性の場合はちょっと締まった打球音を好む傾向があるのに対し、女性は高く残響音のいい音、ショットした時に“飛んだ感”を感じさせるような音が好まれる傾向があります。
ヘッドの形状や内部構造で変わってくるのですが、この音を作り出すのがなかなか難しく、シミュレーションを繰り返しながら理想の打球音に近づけていきました。
M「振りやすさを自分で選べるクラブができました」

M冨張 ウエイトスクリューの重さは1・3・5グラムの3種類にしました。女性用クラブを使うクラブスピード30くらいの方を想定してトラックマンで計測したところ、3グラムでもっともいい結果が出たんです。
さらに、クラブスピード28の場合はそれよりも軽い1グラムでクラブスピードが上がり、もう少し振れる人、クラブスピード33の場合は5グラムがもっともつかまりがよく、インパクトでのショット効率も上がって初速がアップ、飛距離が伸びました。
辻浦 オノフの男性用クラブの場合は1~12グラムの9種類がありますが、女性用でそれ以上重くすると一度開いたフェースが閉じないなどなかなかいい結果が得られず、この3種類に決めたんですよね。
冨張 私もクラブスピードを30前後にして12グラムまでひと通り打ってみましたが、やはり5グラムが限界かなという感じでした。女性用クラブのヘッドは軽めに設計していますし、シャフトも軽くて柔らかいので、しなりが大きくなって戻ってこない感じがありました。

M冨張 ウエイトスクリューの素材や形も、本当にたくさん考えましたね。最終的に“ジュエル”で行くことを決めたあとも試行錯誤の繰り返しでした。これまでのようにトップが平面だとキラキラ感が出ないんです。
辻浦 せっかくだから輝かせたいと、ドーム型のダイヤモンドカットを選択し、どの角度から見てもきれいに光る高さ、コンマ何ミリの調整を経てこの形にたどり着きました。もちろんこんなウエイトは今まで見たことがありません。
冨張 そんなにこだわらなくてもいいんじゃないの?といった意見も実はありましたが、そこは屈することなく(笑)。
辻浦 最後まで、結構全力出し切りました(笑)。僕もこれまでオノフレディを何代か立ち上げてきましたが、難易度は過去最高だったかもしれません。
でも今回、最初にウエイトの企画を聞いてすぐにいいなと思ったのも事実。実は僕も同じようなことを考えていたんです。こんなふうにスタート時点から企画と開発の意見が一致するときは、たいていうまくいく。いいものができあがる予感がありました。
冨張 海外のショップを見るたびに感じるのが、カスタムフィッティングが多いこと。女性も自分でクラブを選びたい時代になってきているのだと思います。2025 ONOFF LADYは振りやすさを選べるクラブ。皆様にぜひ一度試していただきたいですね。「ちょっと変えただけで振り感が変わった」と感じていただけると思います。
Recommended products

ONOFF DRIVER LADY COLOR CUSTOM
スウィングに合わせて選べるウエイトスクリューで最適な振りやすさ。パワートレンチが逆アーチ型になってフェース全体の反発力がアップ。前作よりも打点ブレに強く、安定感がさらに増しました。79,200 円(税込)

ONOFF FAIRWAY ARMS LADY COLOR CUSTOM
ソールの前側に丸みを設け、ラフからでも滑らかに振り抜ける。3,4,5番はボールが上がりやすいシャロー形状、7番はラフからでもしっかりボールをとらえられるディープ形状にしました。#3,4,5,7/各46,200 円(税込)

JEWEL WEIGHT SCREW TURQUOISE GREEN
ドライバーとフェアウェイウッドにウエイトスクリューを初採用。1,3,5グラムの中から選んで装着することで振り抜き感がアップ。お好みの色にアレンジできるカラーカスタムも可能です。1,3,5g・3色展開/各1,650 円(税込)