LAST UPDATED:2026.05.01
Products Inside Story vol.34
2026 AKA・KURO(前編)
AKAとKURO 2026モデルの開発秘話を制作スタッフがお話しします。

昨年9月発売のKUROに続いて3月6日にAKAが発売され、ONOFFの2026モデルがそろいました。AKAシリーズは『強弾道ドロー』をテーマに、よりつかまりよく力強く飛ばせるクラブに。『直進主義』がテーマのKUROシリーズは高初速で飛ばせるクラブに寛容性が加わって、ミスにも強いクラブへと進化しています。両シリーズの企画者に、制作にまつわるストーリーや裏話を聞いてきました。

左=聞き手:加藤映乃
CLUB ONOFF担当
右=解説:戸谷禎志
ラボスペックシャフトの技術開発などを経て2026モデルからAKA・KUROのクラブ全般を企画
M――私も以前からAKAを使っていますが、今回の2026モデルは振りやすさはそのままに、より実戦的で力強くなった印象です。
これまでは代々「操作性のKURO」に対し、AKAは「つかまりのAKA」をテーマに開発を進めてきましたが、2026モデルから「操作性×寛容性のKURO」、「強弾道ドローのAKA」へとテーマを刷新しました。
AKAの新キャッチコピーは「Good Job! AKA」。やさしく振り切れるのに強弾道。さらに可変カスタムのバリエーションを広げるなど、“Good Job!”を実感できる機能とデザインを追求しています。
一方のKUROは操作性と直進性を兼ね備えた設計です。KUROの操作性を維持しながら高慣性モーメント設計を融合させる。ただし、必要以上に慣性モーメントを大きくはしない。このバランスをどう取るかが設計の核になりました。

M――AKA・KUROともに目を引くのがヘッドのソールに入ったメタルプレートです。パワートレンチの形状も新しくなりました。
ヘッドのソールに高剛性プレートと新型のパワートレンチ、クラウンにはカーボン素材を採用しました。パワートレンチのたわみによるエネルギーを高剛性ソールプレートが受け止めて、エネルギーをロスすることなく高初速を生み出す仕組みです。
パワートレンチは試作やシミュレーションを重ねて、この逆アーチ形状にたどり着きました。フェース面に近いほど反発がよくなるので、反発を過度に高める必要のない部分は溝をフェースから離し、反発を高めたい部分はフェース側に近づける必要があります。
ヘッド自体も反発性能を高めているので、この距離が均一だと中央の反発が上がりすぎてしまうんです。
――実際にコースで使いましたが、確かに飛んでボールの伸びが変わったと思います。構えやすくなりましたし、芯を外した!という時も大きなミスにならずに球が上がって、飛んでくれました。
多少ミスしても周囲からはそう見えない。私も経験がありますが、いわゆる「ナイスミス」というやつですね。クラブ性能を体感してもらえてよかったです(笑)。
トランポリンの真ん中が一番たわむように、中央部の反発を上げること自体はそれほど難しくないんです。重要なのは、芯を外して違う打点で打ったときも中央部と同じような反発をするか。周辺部の反発性能をいかに引き上げるかです。
AKA・KUROともに2026モデルではヘッドのボディとフェースの一体構造(※1)で反発エリアを拡大し、フェースの裏面にも独自設計を加えて、耐久性を保ちながら薄肉化しています。
パワートレンチとの相乗効果で、AKA史上最大の反発性能を達成したので、前に強く伸びるボールを実感していただけると思います。
そして、ヘッドのクラウンにはリブを入れました。KUROでも今回から採用したもので、ヘッドの剛性を高めながら、視覚効果による構えやすさも向上させています。デザインにはオノフのオーマークを取り入れたんですよ。

M――AKAのカチャ構造(ヘッドとシャフトの着脱可能可変スリーブ)とウエイト調整機能も進化しています。
XCBT(クロス バランス テクノロジー)(※2)やOTCS(オノフ トラジェクトリー コントロール システム)(※3)などのすべての機能を合わせると、標準仕様のクラブでも計48通りの調整が可能になりました。自分にフィットしたクラブの振り心地のよさを実感していただけると思います。

(※1)ビードレスカップフェース
ボディとフェースを高強度軽比重チタンの一体構造にすることで溶接ビードをなくし、反発エリアを拡大。さらに史上最薄肉フェースが飛距離性能を引き出します。

(※2)XCBT(クロス バランス テクノロジー)
ヘッドとグリップエンドのウエイトスクリューをクロス(交換)することで、クラブの総重量を変えることなく好みのバランスに変更、振り心地をカスタマイズできる、オノフ独自の技術です。
(※3)OTCS(オノフ トラジェクトリー コントロール システム)
OTCSスリーブでロフト角やライ角を調整することでスイングに合った振り心地を実現。さらにウエイトスクリュー(別売)を交換することでヘッド重量やバランスを調整弾道をコントロールすることができます。
M――AKAは番手展開も変わりました。アイアンは6I~PWの5本から、7I~PWの4本セットへ。6番アイアンを必須にせず、単品追加やユーティリティで補うようにしたのは新しい提案です。
KUROは従来通り6I~PWですが、AKAは今回初めて7Iからの4本セットにして、フェアウェイウッドとユーティリティの選択肢を広げ、飛距離差を細かくコントロールできるようにしました。ユーティリティはU2~U7の6番手、フェアウェイウッドはW3・W5・W7・W9の4番手展開で、W3・W5とW7・W9はヘッド素材や構造を変えて飛距離と安定性のバランスを整えています。

M―― 一方、KUROはドライバーのヘッド形状が変わり、オリジナルシャフトも評判です。
ドライバーのフェース長を1.5mm、ヘッド幅を2.5mm拡大し、KURO史上最大のMOIと最高初速の両方を実現できるヘッドになりました。ディープ寄りからややシャローへ移行したことで投影面積も大きく見えるようになり、構えた時の安心感が増したと思います。
また、ウッドの標準シャフトは手元側にタングステンの重たいシートを巻いたシャフトを初めて採用して、インパクト時の手元浮きを抑え、再現性を高めています。
昔はシャフトの手元に鉛のシートをよく貼っていたという話を社内でしていたときに「これが最初から標準装備されてたら嬉しいよね」と考えたのが開発のきっかけになりました。
KUROのユーザーさんはカスタム比率が高いので、標準シャフトはSの1フレックスに絞り、あとは同時発売のラボスペックで細かく対応しています。
――釣り具メーカーとして培った当社のカーボン技術を応用できるのも強みですね。
ええ、タングステンシートの使用自体は難しくないのですが、どこにどれくらい入れるかが問題で、試行錯誤しながら納得いくまでシミュレーションを行いました。最後は社内ラボにあるGEARSを使ってタングステンのありなしテストを実施したところ、多くのテスターがスイングの安定性に効果ありという結果が出て新シャフトの採用が決定。大型ヘッドでも当たり負けしないよう、先端剛性も高めました。
最後に実施したテストの参加者の中には、タングステン入りシャフトで手元の位置が5mm改善した人がいました。私たちにとってはかなり大きな数字ですが、ご本人は「手元が下りていたのは気づかなかった」「でも、なんかうまく打てた」と話していました。
具体的な数値データとは別に、この感覚的な部分もモノづくりには大切です。「なんかいい」はとてもオノフ的な褒め言葉だと思っています。

M(次回後編はAKAとKUROの適性やデザインのこだわりなどをご紹介します)
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