[archive]
ONとOFF vol.5
私のゴルフライフ #1
コウケンテツさん(前編)
行くほど好きになれる場所

Profile
コウケンテツ(料理研究家)
1974年生まれ、大阪府出身。手軽でおいしい家庭料理を提案し、テレビ・雑誌などで活躍。30か国以上を旅して世界の家庭料理を学んだ経験も持つ。『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』(ぴあ)など著書多数。YouTube公式チャンネル『Koh Kentetsu Kitchen』は登録者数220万人を突破した。プライベートでは3児の父として子育てに奮闘中。ゴルフ歴10年、ベストスコア83。
40歳を過ぎた頃、僕にゴルフブームがやってきた。

日の出とともに早朝ハーフ(赤羽ゴルフ倶楽部で)。 撮影/コウケンテツ
―――料理研究家・コウケンテツさんが初めてクラブを握ったのは40歳を過ぎてから。あっという間に夢中になり、「1日20時間はゴルフのことを考える」ように……。
M以前、食の取材で沖縄の漁師さんにお話をうかがう機会がありました。「時に命がけのこともある」というお仕事をその方は楽しいとおっしゃいます。「もう何十年もやってるけど毎日、驚きと発見があるんだよ」と。
胸に響く言葉でした。
僕のゴルフ歴はまだ10年ほど。なぜもっと早く始めなかったんだろうと口惜しさを感じつつ、1日20時間はゴルフのことを考えています(笑)。そこで思い出すのがあの漁師さんの言葉です。
毎日、驚きと発見がある。ゴルフにハマり込んでしまう理由もまさにこれだと思います。
とはいえ、なかなか上手くならないのもゴルフ。右OBを連発し、かっこ悪い、飛ばしたいと無理矢理ドローを打とうとマン振りする。「あわよくば300ヤード」の欲望は増すばかりです。
かつてテニスプレーヤーを目指していたこともあり、スポーツには多少の自信があったのですが、40を過ぎればカラダも心も固まり始めていて勝手が違います。ゴルフ書を読み漁り、レッスン動画を観ては一歩進んで三歩下がるような状態がしばらく続きました。

基本的に両利きですが、人から教わって始めたものはだいたい右利きになるようです。
テニスやゴルフは右打ち、包丁を握るのは左です。
ようやく見えてきた“飛ばしの誘惑”とは無縁のゴルフ。すべては出会いのおかげです。

お世話になった思い出のマグレガーカントリークラブ。ここでベストに近い84を出すこともできました。 撮影/コウケンテツ
―――人と出会い、輪が広がっていくのもゴルフの大きな魅力。それまでのゴルフスタイルが一変するような出会いが、コウさんに次々訪れます。
Mある時、ゴルフ誌『ワッグル』編集部の方からお話があり、新連載をスタートさせていただくことになりました。堀尾研仁プロ、勝又優美プロのレッスンを受けて上達を目指すという、実にありがたい企画です。
お二人には今もお世話になっていますし、この連載をきっかけにそれまで接点のなかった方たちとの出会いが次々に増えていきました。
問題は1、2カ月に1回くらいしかコースに出られないことでした。これでは芝から打つ経験が圧倒的に足りません。そんな時、先輩ゴルファーが教えてくださったのが千葉県のマグレガーカントリークラブ。残念ながら現在はクローズしてしまっていますが、練習ホールが2ホール併設されていて、貸し切りで90分間、好きなだけ打つことができたんです。
週末の早朝なら帰りもアクアラインが空いているので、帰宅後いつものように子供たちと朝ごはんを作り、みんなで一緒に過ごせます。
あとは自宅の庭で素振りをし、大きめのスポンジボールを打って練習不足を補いました。軌道をチェックしながらアドレスは?グリップは?と自問自答しながら打っていると日々新たな発見があり、これは今も続けています。

マークさんとのラウンドでたびたび訪れている赤羽GC。河川敷らしからぬ雰囲気と手ごたえを感じられるコースです。
M素敵な出会いはさらに続きます。ある方のご紹介でゴルフアナリストのマーク金井さんに初めてお会いできることになりました。実は以前から僕はマークさんの大ファン。動画も常々チェックしています。
すでに『ゴルフに行く日の晩ごはん。』という連載が始まっていた月刊ゴルフダイジェストの担当の方にこの話をしたところ、「じゃあ、それも記事にしましょう」とトントン拍子に話がまとまって、なんとマークさんとのラウンドが実現、その様子を誌面上でご報告することになったんです。
以来、マークさんとはたびたびラウンドをご一緒させていただくようになりました。プレー中にしてくださるお話は、「僕が追い求めてたのはこれだったんだ」と思えることばかり。
中でも腑に落ちたのは、「コウさんはテニスプレーヤーだったんだから、テニスのようにゴルフもやったらいいと思うよ」というアドバイスでした。
「テニスが優れているのは、ただ飛ばしてもダメというところ」、「ティショットはセカンドサーブと考えて。これが入らなかったらゲームを作れないでしょ」と。
こんな風に教えてくれた方はいませんでした。
それからは「飛ばそうとしない」、「フェアウェイしか歩かない」と固く心に決めて、早朝の赤羽GCに1人で通い、テニスのようなゴルフを体に染み込ませることに専念しました。
すると一気にスコアが減り始め、90なんて一生切れないと思っていたのに80台がどんどん出るようになっていったんです。
≪次回 後編に続きます≫

M鉄道旅行に必携『スイストラベルパス』
M主な鉄道、バス、湖船、都市交通が乗り放題で利用できるオールインワンパス。全国約500カ所の美術館・博物館が無料になる特典も。期間は連続する3日、4日、6日、8日、15日の4種類。









