こんにちは。ハバナトレーナーズルームの石原です。サッカーのワールドカップもとうとう開幕しましたね！平昌オリンピックに続いて、日本代表の大活躍を祈るのはもちろんですが、４年に一度の大舞台で、世界の一流プレーヤーたちの素晴らしいプレーを目に焼き付けたいと、ワクワクしますね。
さて、今回のイップスコラムでございますが、これまでとはちょっと違う角度からお送りさせて頂きたいと思います。これまで、イップスの起源や機序、症状の特徴など、ややお堅い感じでお話しさせて頂いた回も多々ありました。そこで今回は、実際にイップスに悩んでいらっしゃる方に、どんなきっかけで、どんな風に悩んでおられるのかをインタビューさせて頂きました。臨場感のある内容になっていると思いますので、お付き合い頂けたら幸いです。
■50代男性Aさん 商社勤務
石原「Aさん、本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます。早速ですが、Aさんが、今現在にお悩みの症状についてインタビューさせて頂きますね。」
Aさん「こちらこそよろしくお願いします。今自分でイップスに近いものがあるんじゃないかと悩んでいるのは、ドライバーなんです。」
石原「なるほど、ドライバーなのですね。イップスの発祥はパターだと言われているので、ドライバーはイメージされにくいですが、ドライバーのイップスにお悩みの方もいらっしゃいます。いつ頃から、どんなきっかけで、その症状が始まったのか、思い当たることはありますか？」
Aさん「そうですね、私がゴルフを始めた頃に話が遡るので、少し話が長くなるかもしれませんが。（笑）1998年頃、30歳前半の時に、仕事の繋がりもあり、ゴルフを始めました。当時のプレー頻度は、コースに出るのが月に2回程度、練習場へは週に3回ほど行っていました。」
石原「頻度は高いですね。ゴルフにハマっておられたのですね。」
Aさん「そうですね。（笑）当時は一緒にプレーする仲間もいましたし、夢中になってましたね。当時はヘッドスピード「48」くらい、ドライバーの距離も260～270ヤードくらいで、むしろ得意な方でした。」
石原「そうですか。むしろ得意だったドライバーは、今は悩みのタネになっている・・。どんなきっかけがあるのでしょうか。」
Aさん「30歳代前半から夢中でプレーしていたのですが、30歳代後半から40歳前半までの5年くらい、仕事が忙しくなって、全くゴルフができなくなってしまったんです。」
石原「まさにその働き盛りの期間にゴルフができなくなってしまうというのは、よくあるお話のようですね。」
Aさん「そうですね。でも、40歳代半ばに、『もう一回ゴルフをちゃんとやろうかな』と思えるタイミングがあって、再開することになったのですが、久しぶりにクラブを握って見ると、その変化に衝撃を受けました。」
石原「クラブの変化ですか？以前プレーされていた頃とどのような変化があったのですか？」
Aさん「仕事の都合でゴルフをプレーできていなかった約5年の間に、ドライバーの流行りといいますか、傾向が大きく変わっていました。以前は、ヘッドが小さく、重たいものが主流でしたが、全く逆の大きく、軽いものになっていたのです。」
石原「なるほど。クラブ開発の技術革新やゴルフのファン層の変化など、いろいろな理由はありそうですが、それはAさんとしてはかなり「やりづらい」感覚がありそうですね。」
Aさん「そうなんですよ。今まではクラブの重さに任せて、リズムで打てていたのですが、軽くなってしまって、どう動かしたらいいのかわからなくなってしまいました。」
石原「『道具の変化』『プレーをしていない期間』・・。お話を伺う限り、それはイップスの入り口としては典型的であると言っても良いかと思います。ちなみに、具体的には、スイングの感覚が狂ってしまったことで、どんな現象が起こりましたか？」
と、お話の途中ですが、今回のコラムはここで終わりになります。
次回、さらにAさんに伺ったお話を詳しくご紹介させて頂きます！
1982年群馬県生まれ。2007年早稲田大学スポーツ科学部卒業。現在、ハバナトレーナーズルーム恵比寿・代表。鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、日本トレーニング指導者協会公認トレーニング指導者（JATI-ATI）トレーナーとして、数多くのアスリートのトレーニング、コンディショニングをサポートする他、アスリートのフィジカルコンプレックスをなくすことを目指し、キューバスポーツ研究、イップス研究を行っている。また、柔道グランドスラム・キューバ代表サポート（2011年～）、ワールドベースボールクラシック2013・キューバ代表サポートなどの活動を行っている。著書『イップス スポーツ選手を悩ます謎の症状に挑む』（大修館書店）
