2020.9.24

[vol. 036]

サンクチュアリに誘われて


旅するひと = 菊間 千乃きくま・ゆきの

1972年東京都生まれ。弁護士(第二東京弁護士会)。95年早稲田大学法学部卒業後、アナウンサーとしてフジテレビ入社。バラエティや情報・スポーツ番組などを数多く担当。2005年大宮法科大学院大学入学。07年司法試験の勉強に専念するためフジテレビを退社。10年司法試験合格し、司法修習を経て翌年、弁護士法人松尾綜合法律事務所に入所。紛争解決、一般企業法務、コーポレートガバナンス等の分野を中心に幅広く手掛けている。ゴルフ歴20年、ベストスコア84。

4日間・8コース・8ラウンド!

自然がいっぱいの千葉バーディクラブで。

アナウンサー時代に始めたゴルフ。ロースクール入学から弁護士になるまでの数年間は中断しましたが、復帰後は以前に増して熱中しています。独身時代は年末年始の休みを利用して、12月30日から1月5日まで7日間連続でコースに出たこともありました。
関東一円のゴルフ場を日替わりでおさえ、連日、都内の自宅に戻ってはまた出かけるの繰り返しです。大みそかに「これで打ち納めね」と仲間と話をしたと思ったら、翌朝また集まって「打ち初め」。我ながらよくやったと思います(笑)。

右=茅ケ崎のスリーハンドレッドクラブにて(いずれも本人撮影)。

今から4年ほど前、夫がタイのバンコクに駐在していた時も、夫に会いに行くたびゴルフをしていました。夫の同僚からは「千乃ちゃんは旦那さんに会いに来てるんじゃなくて、ゴルフをしに来てるんでしょ?」と冷やかされるほど。2人で4日間に8ラウンドしたこともありました。午前と午後、それぞれ別のゴルフ場をまわったので計8コース。それも名門といわれるところばかり、前もって夫に予約してもらっていたんです。
ただ残念なことに当時はまだ私の熱意に腕前が追い付いていませんでした。最終日の8ラウンド目ともなると手にできたマメが痛くなって、スコアどころではありません。2人で「こんな無茶なスケジュールはもうやめよう」と反省し、それからは基本的に1日1ラウンドに抑え、午後はマーケットに行ったりマッサージに行ったりして、翌日のゴルフへの備えに専念するようになりました。

タイ・サムイ島で。ホテルから見た夕日がとてもきれいでした(本人撮影)。

タイでは知る人ぞ知るコースをプレーする機会にも恵まれました。なかでも忘れられないのがラチャプルック・クラブです。縁あって夫の知り合いの方が誘ってくださったのですが、そこはまさにセレブの集う超名門カントリークラブでした。
門をくぐってからクラブハウスの玄関に到着するまで、車で5、6分はかかったでしょうか。敷地内には、プールやフィットネスクラブやバンケットルームなどの施設も整っていて、家族で1日楽しく過ごせる場所です。バンコクの中心部から車で20分ほどの場所にこんなところがあったんだと驚かされました。

もちろん食事もとてもおいしくて、朝食をしっかり楽しんでからスルーで18ホールまわり、ダイニングルームに戻ってタイ料理を薦められるままに味わい、お昼に解散。あっという間でしたが、夢のような時間を過ごすことができました。
あとで聞いたところによると、あそこにいたのは○○省のトップ、隣は某企業のオーナーと、いたるところVIPだらけだったそうで、すごいところに来てしまったなあと思ったものです。
タイではいろいろなゴルフ場に行きましたが、正直なところキャディさんの腕前はまちまちです。でもラチャプルックのキャディさんはグリーンの読みも接客も素晴らしく、やはり別格でした。

上=タイの超名門プライベートクラブ、ラチャプルック(本人撮影)。
下=バンコクのお気に入りの場所、マンダリンオリエンタルホテル。チャオプラヤ川のほとりを散歩して、ジャズファンの間で評判のバーに寄るのがいつものルートでした。

“動物”と出会える場所へ

フランスのパリ・インターナショナル・ゴルフクラブ。バンカーにカバ(の巨大オブジェ)がいたりして、とても面白いコースでした(本人撮影)。

完璧に作り上げられた印象のラチャプルックですが、コースに出ればあちこちに鳥がいたり、リスが辺りを走り回っていたりして心が和みます。私もかなりの動物好きですが、そんな方にはバンコクのサファリワールドもおすすめです。象に乗ったり、トラの赤ちゃんを抱っこできたりと楽しい場所です。圧巻は何といってもキリン。全部でなんと200頭も飼育されているそうで、餌やりが人気のアトラクションになっているんです。
餌やり専用のテラスはグラウンドを見下ろす野球のスタジアムのようになっていて、購入した餌のバナナを差し出すとキリンが我も我もと集まってきます。目の前にキリンの顔がずらりと並んで迫力十分。その時に撮った写真は今でも我が家に飾っています。

バンコク市内から車で約1時間のところにあるバンコク・サファリワールド。サファリパークとマリンパークに分かれていて、見ごたえがあります(左=本人撮影)。

動物といえば、フランスでとてもユニークなゴルフ場に行ったことがありました。シャルルドゴール空港から20分ほどのところにあるパリ・インターナショナル・ゴルフクラブ。ジャック・ニクラス設計のコースは素晴らしく、もともとそこにあったという川や滝、周囲の野生生物が暮らす森と調和しています。
クラブハウスをはじめとする洗練された施設の数々も印象的でしたが、コース内に配した動物のオブジェが忘れられません。バンカーにカバがいたり、象がいたりするんです! 本当におもしろい体験でした。

パリ・インターナショナル・ゴルフクラブ。寒かったので急きょ、プロショップでオリジナルのウェアを買いました。電動の1人用カートはとても便利。日本でも増えてほしいです(本人撮影)。

そして旅先では、現地のワインを探す楽しみも。世界中どこに出かけても、見つけられる限りは酒屋さんをまわり、その土地のワインを買って帰ります。意外と思われるかもしれませんが、インドもワインづくりが盛んな国のひとつ。今では日本でもネットショップなどで手に入るようになりましたが、自分の足で探し、大事に持ち帰ったワインのおいしさはひとしおです

日本ソムリエ協会ワインエキスパートの資格を持ち、講師としての活動も。左=フランス サンテミリオンのシンデレラワイン、Valandraudのオーナーを招いたワイン会で。右=ビンテージ当てクイズでいただいたワインにサインを入れていただきました。宝物です(本人撮影)。

片道1時間足らずのサンクチュアリ

千葉バーディクラブ。“日本で一番花木咲き誇るゴルフコース”のキャッチフレーズどおり、彩り豊かな景観を楽しめます。

東京近郊では千葉バーディクラブが最近のお気に入りです。知り合いのメンバーの方に連れて行っていただくことが多いのですが、オープンしてまだ10年ほどなのに落ち着きがあり、都心から車で1時間もかからないのにどこかのリゾート地に来たような気分にさせてくれる、とても素敵な場所なんです。

千葉バーディクラブ。滝と小さな庭園に面したクラブハウスも居心地のいい空間です。

ラウンド中、目にするのは季節の花々や川を泳ぐ魚たち。池にいるカモや白鳥もここの住人です。そんな様子が手入れの行き届いたフェアウェイやグリーンの風景に溶け込んで、飾り立てたり作り込んだりしたところがありません。私が宮古島にある同じ系列のシギラベイカントリークラブも好きなのは、どちらも自然の中に身を置く心地よさが味わえる場所だからなのでしょう。
千葉バーディのコース内の茶店にはウッドデッキのテラスがあります。何度か通ううちに、ここで前後の組のプレーを見ながらほっとひと息つくのが大好きな時間になりました。ゴルフをやっていて本当によかった。自然に触れるたび、そして、ゴルフを通じていろいろな方たちと知り合うたびに、つくづくそう感じています。

夕暮れのシギラベイカントリークラブ(本人撮影)。

Find Information
千葉バーディクラブ
18H 7057Y P72
開場/2008年 設計/清水建設
高低差8メートル以下とフラットな地形に池やドッグレッグで変化をつけた18ホール。コースメンテナンスのクォリティの高さでも評判。佐倉ICから約15分。
シギラベイカントリークラブ
18H 6110Y P70
開場/2000年 設計/タイム・アンド・タイド
全ホールから太平洋を望むシーサイドコース。宮古島南岸に広がる約100万坪のシギラセブンマイルズリゾート内にあり、7つのホテルや温泉施設などが揃う。
タイ国政府観光庁
タイの基本情報や旅行に必要な情報などはこちらから。
自然たっぷりのおいしいお土産(千葉)


新井梨園
梨・落花生・さつまいもを生産する観光農園。農産物の直売の他、収穫体験なども行っている。大玉で人気の梨は来店前の予約も可能。佐倉ICから車約15分。
八街生姜ジンジャーエール
全国有数の生姜の産地、八街の商工会議所が研究開発。生姜のしっかりとした風味と自然の甘みが評判を呼んで地元名物に。カクテルにもおすすめ。1本(250ml)280円。
ますだの落花生
八街名産・落下生の製造販売を行う老舗。昔ながらの天日干し加工を守り続けている。八街と佐倉を結ぶ県道沿いにある直営店には限定商品も。佐倉ICから車約15分。
和風マドレーヌ 街のめぐみ
大正元年創業の和菓子店『御菓子司 おきなや』の新名物。八街産の落花生を裏漉しして白餡に混ぜた落花生餡を生地に練り込み、風味豊か。10個入2500円~。
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