2020.12.8

[vol. 038]

”真珠の海”のリゾートへようこそ


旅するひと = 田代 賢たしろ たかし

伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社ゴルフ部部長。NEMU RESORT(三重県志摩市)内のゴルフ場NEMU GOLF CLUBの運営管理にあたる。西武池袋本店勤務、レストランオーナー(東京都練馬区)、フォーティーンヒルズカントリークラブおよびホテルウィンザー(岐阜県中津川市)総支配人を経て現職。ゴルフ歴12年、ベストスコア88。

雪や氷とは無縁の冬ゴルフ

NEMU RESORT内のプライベートビーチは絶好の夕日スポット。ここからカヤックで海に出ることもできる。

NEMU GOLF CLUB(旧・合歓の郷ゴルフクラブ)がある三重県志摩市は美しいリアス式海岸に囲まれて自然豊か。市の全域が伊勢志摩国立公園内という風光明媚なところです。気候は四季を通じて温暖で、真冬でもめったに雪が降りません。岐阜のゴルフ場からこちらに移ってきた当初は、冬の朝でもティやグリーンが凍っていないことに驚きました。

刻々と表情を変える海とコースの景色は何度見ても飽きることがありません。おかげさまで数々の賞もいただいており、2020年のGDO『景観が高評価のゴルフ場』ランキングでは全国第1位に選んでいただきました。


2015年の大改造を経てコースはドラマチックに生まれ変わりました。改造設計を手がけたのは全米ゴルフ場設計家協会元会長でラ・コスタやラ・キンタなどの設計でも知られるダミアン・パスクーツォ氏と、PGAツアー通算6勝でコース設計にも手腕を発揮しているスティーブ・ペイト氏。さらに改修アドバイザーとしてJLPGA会長の小林浩美プロにも加わっていただきました。

アウト・インの入れ替えという大幅なリノベーションにより終盤のハイライトとなったのが15番パー4(372~256ヤード)です。ティイングエリアを全面的に改修し、英虞湾を眺めながらティショットを打てるようになりました。敷地内に絶景ポイントはいくつもありますが、私はここから見る夕日が最高だと思っています。
また、以前は3オン狙いなら比較的簡単にパーが取れていた18番パー5(456~566ヤード)は、セカンドの落としどころとなるフェアウェイ中央にバンカーを新たに配置。最後まで気が抜けないフィニッシングホールになったと好評です。

フルバックのブラックティ(6768ヤード)からレッドティ(4724ヤード)まで、ティを5面に増やし、幅広いレベルの方々に対応するようになったのも今回の改造の大きな特徴です。
パスクーツォ氏の言う“戦略性が高いリゾートコース”に磨きをかけるべく、近年はグリーンのクォリティ向上にさらに力を入れています。ベント芝の一種、ペンG2の1グリーンをほどよく高速に仕上げていますので、スリリングなゲームを楽しんでいただけると思います。

左=フェアウェイ右サイドに湾が入り込む15番パー4。
右=ラウンドはGPSナビ付カートを使用。カートでフェアウェイ乗り入れのプレースタイルがNEMU GOLF CLUBのウリ(雨天時等、不可の日もあり)。

旧10番ホールの用地には小林浩美プロのアドバイスのもと、本格的なドライビングレンジを造りました。ストレートなパー4だったところを丸ごと使って思う存分ショット練習をしていただける、当クラブ自慢の“0番ホール”です。
2面あるグリーンに向かってショートゲームの練習ができるエリアは最長100ヤードの距離を確保。女子プロの皆さんが調整に来られることもしばしばです。
宿泊プレーでご来場の際は、プレーの前日やホールアウト後など、練習時間をたっぷりとスケジュールに組んでおかれるのもいいかもしれません。

ホテルからスターティングホールまでは歩いてすぐ。途中、リゾート内の見晴台やビーチを散策するのもおすすめです。
そしてホールアウト後はぜひ温泉へ。ホテルはもちろん、ハウス内の大浴場でも敷地内に湧出する天然温泉を楽しんでいただけます。

天然芝から打てるドライビングレンジ(18打席、300ヤード)。ショートゲームエリアも併設している。

星空ウォッチングとグランピング

NEMU RESORTのアウトドアダイニング『里山ラウンジ』のグランピングディナー。貸切パーティの予約はお早めに。

NEMU RESORTの前身はヤマハリゾート合歓の郷。1967年の開業以来、ポップミュージックの聖地として長く音楽ファンに愛されてきました。真珠の養殖で知られる英虞湾に突き出す大崎半島に300万平方メートルの広大な敷地を有し、現在は自然体験エリアなどを備えた滞在型リゾートとして国内外からゲストをお迎えしています。

ゴルフ場に先駆け、2013年に大規模リニューアルを終えたホテルには3つのレストランがあり、そのひとつ『里山ラウンジ』はラグジュアリーなアウトドアダイニングとして人気を博しています。朝食は緑のじゅうたんの向こうに遠く海を眺めながら、そしてディナータイムには満天の星空の下で本格的なコース料理を味わえるのはこのレストランならでは。 貸切利用も可能ですから、コンペ後などにお使いいただければ、思い出に残るパーティになるのはまちがいありません。

左上=近鉄特急・賢島駅からリゾート内のマリーナまでマリンタクシーで約15分(完全予約制・無料)。
右上=『里山ラウンジ』のグランピングブレックファスト。地元産などの食材を使い、シェフが腕を振るう朝食でパワーチャージができる。
左下=温浴施設『恵みの湯』。天然温泉の他、ミキモト コスメティックスと共同開発した『真珠の湯』など3種の湯めぐりができる。
右下=全60室の客室はすべて46.8㎡とゆったり。

これからの季節にぜひ参加していただきたいのが星空観賞です。2月は宿泊者限定の『星空案内』を実施予定。焚き火を囲んでゆったり過ごせる『焚き火カフェ』で自然のプラネタリウムを体験していただくプログラムです。ランタンやブランケット、ダウンコートなどの貸し出しも行っています。 スパークリングワイン(ハーフ)・花束・写真撮影が付いた貸切プランもあり、こちらは1日1組(4名まで)限定。記念日や特別な日におすすめです。

海の楽しみ

阿児町の国府の浜(こうのはま)、市後浜(いちごはま)、浜島町の南張(なんばり)海岸、塩鹿(しょしか)海岸など、伊勢志摩にはサーフスポットがいろいろ。

伊勢志摩をドライブしていると、サーフボードを積んだクルマが多いことに気づかれると思います。大阪や神戸から2~3時間で来られることから他県から訪れるサーファーも多く、市後浜(いちごはま)をはじめとするサーフビーチは年間を通じて賑わいます。
海と陸の両方を楽しむという意味のサーフ&ターフという言葉がありますが、実は私もその1人。時間を見つけては海に出ています。
美しい砂浜で知られる国府の浜(こうのはま)など、多くのサーファーが集まるポイント周辺には洒落たカフェやレストランがあって、ひと息つくのに最適。雰囲気のいいお店が多く、旅行者の方々にも人気です。

伊勢志摩の海の魅力は景色や波のよさだけではありません。豊かな海は極上食材の宝庫。10月に漁が解禁になった伊勢海老や的矢湾産の的矢牡蠣は今が旬。春を過ぎたらアワビが時期を迎えます。伊勢志摩の海は岩場が多く、アワビの食べる海草が密生しているので美味しく育つのだとか。お造りはもちろんステーキや豪快な炭火焼等々、ぜひ味わっていただきたい逸品ぞろいです。

最後に伊勢の郷土料理もお忘れなく。カツオやマグロなど赤身のヅケを酢飯に豪快にのせた『てこね寿司』は漁師料理がルーツ。『伊勢うどん』はお伊勢参りの旅人が時間をかけずに食べられて、しかも、長旅で疲れた体に負担をかけない料理をと考案されたと聞いています。極太でふわふわの麺を甘辛ダレで食べる。唯一無二の味で旅を締めくくられるのも一興かと思います。

上=伊勢神宮・内宮の鳥居前町として栄えたおはらい町。土産物店や旅館が軒を連ねる。
下=郷土料理『てこね寿司』と『伊勢うどん』。

伊勢志摩 初詣&絶景スポット
  • 五十鈴川のほとりに鎮座する伊勢神宮 内宮正宮。今も全国の神社の本宗として崇敬を集めている。

  • 伊勢神宮
    日本人の総氏神を祀る内宮(皇大神宮)、衣食住などの産業の守り神を祀る外宮(豊受大神宮)をはじめとする125社から成る神社。内宮と外宮を合わせると年間約800万人が参拝に訪れる。11~1月の冬至の前後1カ月間だけ見られる内宮宇治橋の大鳥居から昇る日の出は、一生に一度は見ておきたい美しさ。
  • 二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)
    猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)を祀り、縁結び・夫婦円満・交通安全などにご利益がある。正面に見える夫婦岩は日の出遥拝所として人気が高く、境内には猿田彦大神の使いとされる二見蛙(無事にかえる、貸したものがかえる)が多数奉納されている。夫婦岩の間から日が昇るのは夏至の前後1カ月間。
  • 伊勢志摩スカイライン
    伊勢神宮(内宮)から鳥羽まで、標高555mの朝熊山を縦走する全長16.3kmの”天空のドライブウェイ”。 山頂展望台からは伊勢志摩の全景はもちろん伊勢湾から愛知県、さらに天候に恵まれれば富士山まで眺望できる。 山頂付近には伊勢神宮の鬼門を守る名刹、金剛證寺(こんごうしょうじ)もある。
  • 横山展望台 横山天空カフェテラス
    志摩半島南部の横山(標高203m)に設置されている展望台。英虞湾と並んで、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで1つ星を獲得した絶景を一望できる。 2018年には写真のカフェテラスがオープン。ウッドデッキのテラスで目の前に広がる景色と季節のドリンクやフードを楽しめる。
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NEMU GOLF CLUB
18H 6768Y P72 開場/1989年
改修設計/ダミアン・パスクーツォ、スティーブ・ペイト
監修/小林浩美
2015年10月にリニューアルオープンした滞在型リゾートコース。天然芝のドライビングレンジや1日中アプローチ練習ができるショートゲームエリアなど練習施設も充実。
観光三重
三重県観光連盟の公式サイト。伊勢志摩に関する最新の話題も掲載している。
伊勢志摩観光ナビ
旅に関する情報満載。伊勢志摩観光コンベンション機構の公式サイト。
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