1978年生まれ。料理家、(株)ゆとりの空間 代表取締役社長。会社の経営に携わる一方、幼い頃から得意だった料理の腕を活かし、テレビや雑誌など様々な媒体で活躍中。昨年8月から小中学生を対象としたアーカイブ動画視聴型オンライン料理教室『ごちそうさまクッキングスクール』を開講。最新著書『栗原家のごはん 祖母から母に、母から僕に、そして僕から息子へ。』が好評発売中。ゴルフ歴16年、ペストスコア73。
始まりは接待ゴルフ
タイのザ・ロイヤル・バンコク・スポーツクラブ。18ホールのゴルフコースがあるのは競馬場の中!
最近は料理家として皆様にお目にかかることが多いですが、20~30代の頃は今、代表を務めている会社の営業担当として全国を飛び回る生活を送っていました。扱う商品は食器や調理道具、食品、アパレル、キッチン雑貨など多岐にわたり、百貨店の売り場を任された時期もあります。
営業マネジャーから役員になった28歳の時、上司からぜひやってくれと指令があり、ゴルフを始めました。ゴルフ場での付き合いが仕事上、とても有用だった時代です。
グリップくらいはちゃんと習っておいたほうがいいだろうと近所の練習場でレッスンプロの指導を受けましたが、結局のところは自己流スウィングに落ち着き、今に至ります。
やっぱりゴルフはケーススタディが肝心なのでしょう。コースに出る頻度が上がるに従って、スコアはみるみる減っていきました。
ゴルフ仲間とたびたび訪れたサイパンのコーラルオーシャン。先頃、コーラルオーシャンリゾートサイパンとしてリニューアルオープンしました。
ゴルフを通じて仕事以上の付き合いにも恵まれました。取引先の方達とゴルフ旅行に出かけるくらい親しくなっていったんです。なかには私の親の世代の方もいらっしゃいますが、気の置けない関係を築けるのがゴルフのいいところ。特によく行ったのがサイパンでした。
コースを付帯したリゾートホテルに滞在して、基本は1日3ラウンド。敷地内はカートで移動できるので、起きたらホテルの部屋からスタートホールへ直行です。帰国便ぎりぎりまでコースにいて、3泊4日・10ラウンドをこなす弾丸ツアーを決行したこともありました。
高層ビル群の中に競馬場、さらにその中に18ホールがレイアウトされているロイヤル・バンコク・スポーツクラブ。市街地のど真ん中にあり、ラウンドは手引きカートを使用。競馬中もプレーが可能です。
バンコクではユニークなゴルフ場をラウンドする機会がありました。『ザ・ロイヤル・バンコク・スポーツクラブ』という会員制倶楽部の施設のひとつで、創設は100年以上前。バンコク初のゴルフ場だそうです。
敷居の高さはタイでも指折りというそのコースは高架鉄道(BTS)の駅のすぐ前にあり、なんと競馬場の中に18ホールがレイアウトされています。4992ヤード・パー66と短めですが池越えホールなどもあり、何より競馬場のメインスタンドやデパートなどの高層建築に囲まれてゴルフをするというシチュエーションが日本ではまず考えられません。実に貴重な経験をすることができました。
シメは釜揚げうどん
宮崎市の中心部に位置する西橘通りを含むエリア、通称ニシタチ。宮崎の大人達に知らぬ者はない、県内最大の歓楽街です。
30歳を過ぎて千葉県の立野クラシックゴルフ倶楽部に入会してからは競技ゴルフに目覚めました。ハンディ16になった時点で研修会に入会し、先輩方からは今もいい刺激をいただいています。
以前は用事や仕事の合間でも時間を見つけては練習場に行っていたのですが、最近は混んでいてなかなか練習ができないのが悩みのタネ。最初に教えてもらったレッスンプロには、今も折を見て相談をしに行っています。
左上=コロナ前に行った会社のコンペで(大熱海国際ゴルフクラブ)。右上・下=静岡県のグランフィールズカントリークラブ。以前はランチタイムにバーベキューを楽しむことができました。
ゴルフ場での食事の時間はやはり大事にしています。これまでに行った中でも印象的だったのが静岡県のグランフィールズカントリークラブ。タフなコースとゴージャスなクラブハウスで知られていますが、レストランの食事もおいしいゴルフ場です。
数年前に行った時は昼食がすべて屋外でのバーベキューだったことがありました。シェフが目の前で様々な食材を焼いてくれるスタイルで、今は残念ながらやっていないそうですが、私も初めての経験でした。
およそ1100軒の飲食店が軒を連ねるニシタチ。定番の鶏の炭火焼きに焼酎、そして飲んだ後のシメの定番は釜揚げうどん。うどんは宮崎の郷土食として親しまれています。
いいコースとおいしいものが揃っているのが宮崎です。コースはいくつかまわりましたが、なかでも宮崎カントリークラブは好みのタイプ。戦略性が高く、一筋縄ではいかない面白さがありました。
おいしいものも数多く、なかでもうどんはおすすめです。のど越しのいい釜揚げの麺を、揚げ玉たっぷりの熱々のつゆにつけて食べるのですが、お店によって麺やつゆにこだわりがあり、お気に入りを見つけるのも楽しいものです。一度おいしさを知ってしまったらハマるのは必至。滞在中、何度も食べに行きたくなります。
そして、宮崎といえば私の大好きなスナック(飲酒店)が多いことでも知られています。市の中心部にある歓楽街、ニシタチには居心地のいいスナックがいくつもあって、カウンター越しの会話と肴を楽しみながらお酒を飲む。あの幸せを至る所で味わえます。
第2の故郷、青森
三方を海に囲まれた夏泊ゴルフリンクス。ひとめ惚れして即、入会を決めました(写真は本人撮影)。
数年前に仕事で訪れて以来、もう何十回も通っているのが青森です。人情味にあふれ、食べ物がおいしく、しかもすごいリンクスまである。こんなところはなかなかありません。
夏泊ゴルフリンクスは世界に向かって「日本にもこんなにちゃんとしたリンクスがあるんだ」と胸を張って言えるゴルフ場だと思います。確かに風がいったん吹き始めると手におえず、ドライバーをいくら振っても150ヤードも飛ばないことがあります。トーナメントでジャンボ尾崎さんが、ここは二度と回りたくないと言ったという伝説も残っています。それでもここが好き過ぎて、入会してしまいました。
私はまだ冬のラウンドを経験したことがありませんが、回りたいと言ったら回れるそうです。ただし、体感温度はマイナス20度。強風と極寒に耐える覚悟は必要です。
青森に行ったらぜひ市場めぐりを。筋子などの海産物や総菜が手に入ります。写真のトゲクリガニは4月下旬~5月中旬が旬。古くから花見ガニ、桜ガニとも呼ばれています。
コースに出る日の朝食はたいていご飯。おにぎりをよく食べます。青森に行くたび、おにぎり専用に筋子を必ず買ってくるんです。
塩に漬け込んだ塩筋子はうまみが強く、季節によって卵の質や熟成度合いが変わるため、その時々の変化を味わうのも楽しみのひとつ。青森の方達は、こんなに?というくらい、おにぎりに筋子をたっぷり入れるので、私もそれに倣っています。1個分の量をいつも小分けにして冷凍しているのですが、これだけは誰にも譲れません(笑)。
食材をたっぷり買い込んで、帰京後ゆっくり味わいながらその土地の風景や人を想う。これも旅の醍醐味だと思います。
夏泊ゴルフリンクスで。雨上がりに巨大な虹がかかっていました(写真は本人撮影)。
栗原氏推薦
宮崎と青森のおいしい店
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- 釜あげうどん 重乃井
- 「宮崎市の中心部、大淀川河畔にある釜揚げうどんの老舗。注文を受けてからゆでる生麺と昆布がメインの出汁にとことんこだわり、スポーツ界のファンも多いお店です」
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- 釜揚げうどん 戸隠 本店
- 「宮崎市内の繁華街、ニシタチにある釜揚げうどん店。もちもちの麺は飲んだあとのシメの定番。地方発送も行っています」
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- CRAZY HORSE SALOON
- 「青森市本町にあるバー。マスターの人柄とお店の雰囲気が抜群です。青森ではここで飲むことを前提に、すぐ隣にあるホテルに宿を取ることにしています」
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- 六兵衛(ろくべえ)
- 「青森市古川にある老舗の居酒屋さん。ご主人の目利きが素晴らしく、地のもののよさを最大限引き出すシンプルな料理はどれも絶品です」
Find Information
- タイ国政府観光庁 公式サイト
- タイに関する基本情報から詳細な旅案内まで内容充実。
- グランフィールズカントリークラブ
- 18H 7257Y P72
開場/1992年 設計/富士グリーンテック
日本庭園の手法を取り入れ、渓流や滝、池を配したコース。隅々まで手入れが行き届き、グリーンの難しさでも知られる。2016~18年サイバーエージェントレディス開催、今年8月4日~7日には日本プロが開催される。
- 宮崎市の観光・文化情報サイト
- 宮崎市が運営する公式サイト。市内の見どころレポートやイベント情報を掲載。
- 夏泊ゴルフリンクス
- 18H 7192Y P72
開場/1992年 設計/海老原寿人
スコットランドの気候風土に酷似した北緯41度の夏泊半島に造られた本格派リンクス。コースレートは74.2。先頃、レディスティよりも短いピンクティが新設された。今シーズンの営業は3月19日から(予定)。
- まるごと青森
- 青森の観光・物産・食・特選素材など『まるごと青森』を紹介するブログ。
Pickup Item
ゴルフ仲間がいるのはいいですね。仲間が新しい経験を増やしてくれます。自分では思いつかなかったような旅先も教えてくれそうです。