ナイスショットを放ったときと、ひどいミスショットになってしまったときの違いは一体、何だろう。
もちろん、ミスショットしたときのフォームはかなり悪かったに違いない。では、なぜ悪かったのか。良いフォームで打てるときもあると考えれば、リズムやテンポが悪かったからに違いない。では、リズムやテンポがなぜ悪くなってしまったのか。
それは打つことに集中できなかったからに他ならないだろう。飛ばしたいという欲や、ダフリやトップせずに上手くヒットしたいという願望、またはミスショットしたくないという恐れや不安が、体を硬直させたりして、スムーズなスイングを妨げてしまうからに違いない。
そうしたことは程度の差こそあれ、ボビー・ジョーンズのような名手にもあったことなのだ。
だから彼は「スイングに入るときには、ボールを打つことしか考えない。それ以外のことを考えたら破滅するだけだ」と名言を残している。
続いて「ただボールを打つだけという気持ちに揺るぎない冷静さを持つこと。そして、ボールを打つことだけに集中するのだ」と語っている。
さらに、ジョーンズは、次のことを自分に言い聞かせてからショットした。
「ボールを打つ人は、自分1人。誰にも邪魔されずに、自分だけが安心してショットできるのだ」
そうなのである。ゴルフほど、本当は安心してプレーできるスポーツはないのである。
ゆったりと構え、ゆったりと振ろう。
「スローバック、スローダウン。クラブはあくまでゆっくり振ること」
これもまた、ジョーンズの言葉である。