2019.6.20

アメリカで初めてのレッスンプロとなり、多くのアマチュアを上達させただけでなく、トム・カイトやベン・クレンショーをメジャーチャンピオンにし、テキサス大学の監督として何度も全米ナンバーワンにしたペニックさん。彼の教えは今も尚、永遠の輝きを保ち続けている。

そんなペニックさんが、スイングを良くするための練習法を教えてくれている。

「重いクラブを買って、ゆっくりとスローモーションで振る練習を行うことです。そうすれば、スイングに必要な筋肉が鍛えられるのです」。

重いクラブとは練習用の重いアイアンである。ペニックさんは620g暗いと言っているが、ショップで売っているものなら何でも良いだろう。それを使って家の中で毎日素振りをすることだ。スローモーションと言ってもどれくらいのスピードがいいのか。ペニックさんは具体的には述べていないが、1つのスイングを60秒かけて振るのがいい。かなり筋肉に効くスイングになるからだ。しかも体を痛めない。

「グリップもスタンスも普通のスイングと一緒です。しっかりアドレスして、バックスイング、トップ、ダウンスイング、インパクト、フォロースルー、フィニッシュと、伝統的な完璧なスイングの形を1つ1つきちんと作ってゆっくり振ること。しかも目標を決めて、そこにクラブヘッドを振るようにするのです。こうすれば脳に正しいクラブの位置をしっかりと植え付けることができるのです。」

この練習は特にラウンド前日にやると効果的である。

HARVY PENICK

1905年アメリカ、テキサス州生まれ、1995年同地没。バイロン・ネルソンらとツアープロとして活躍したあと、全米発のティーチングプロとなる。テキサス大学ゴルフ部のコーチを長く務め、20回もの全国優勝を成し遂げる。レッスンの神様として、トム・カイトやベン・クレンショーなど多くのトッププロを育てた。著書に『ゴルフレッスンの神様 ハーヴィー・ペニックのレッド・ブック』(日経ビジネス文庫)など多数。