
今も尚破られていないPGAツアー82勝の記録を持つサム・スニード。ベン・ホーガンやバイロン・ネルソンと同じ1912年生まれだが、そのスイングの美しさ、飛距離は2人と圧倒するものだった。
流麗で柔軟なスイングはクラブを柔らかく握ることと、歌を口ずさむようにリズムを良く振ることがもたらしているが、大きな飛距離は腰を入れた「スニードスクワット」がもたらしたと言っていい。これはスクワットをするように腰をグッと落としてボールを打つというものだ。
「俺は山育ちで、毎日、斧で薪を割っていた。このとき、腰を入れて斧を振り下ろすわけだが、このときのやり方でクラブが振り下ろせば、勢いがついてボールをかっ飛ばせる。振り下ろすときに腰を入れるんだ。そう、グッと落とす。そうすればパワーが出る。ボールをヘッドで割るように叩き下ろせばいいんだ。」

しかもそのときに足で地面を踏ん張れという。それには裸足で練習するのが一番だとスニード。
「子供時代は春になったら裸足で走り回った。まだ雪があれば冷たいし、雪解け水はもっと冷たくて霜焼けになった。それでも裸足は気持ちいい。ゴルフの練習も裸足は気持ちがいいし、地面をつかめるようになる。そうすれば、思い切って振ってもバランスが保て、ヘッドの芯でボールを打てるようになるんだ。」
こうしてスニードはパーシモンウッドとバラタボール時代に、PGAツアーのドラコン王に輝いてもいる。3球で1005ヤード、平均335ヤードをかっ飛ばしているのだ。