
1920年の全英オープンに優勝しているジョージ・ダンカンは早打ちの名手として知られる。ボールまで歩いたら、素振りを一度もしないでさっと打ってしまったのだ。
スコットランドのメスリックに生まれたダンカンは、プロサッカー選手を断って、プロゴルファーになった。それだけに運動神経抜群で、サッカーのように俊敏にプレーしたわけである。
プレーに時間をかけても迷うばかりだというわけだろう。それ故に「早くミスせよ!」という逆説にも似た言葉を残している。
「慎重を喫してもミスするときはミスする。だったら早くミスしてしまえ。そういうつもりでプレーすれば案外上手くいくものだ」

この言葉はショットだけでなく、パットにも通じるわけで、ダンカンはパットもラインを読んだら、すぐさま打ったという。
打つ前に時間をかけたら、自分が決めたラインに不安が募り、ラインを変えてしまい、結局、カップインできないというわけだ。
それだけにダンカンはパットに関しても次の名言を残している。
「パットのラインは第一勘が一番正しい」
つまりはファーストインプレッションを大事にしろということ。
確かに最初に決めたラインで打てばしっかり打てるから入る確率は上がるもの。迷えば、ストロークにも悪影響が出る。
結局、心が弱くなり、それがカップインを妨げるということなのだ。