2018.10.18

私たちヘボゴルファーは何故、ボールを強く打ってしまうのだろう。

プロが思い切り振っているように見えるからだろうか。一緒に回っている人に飛距離では負けたくないと思っているからだろうか。それとも本能によるものだろうか。

ステディなゴルフで’60年代から’70年代に活躍したドン・ジャニュアリーは、’67年には全米プロを制し、’71年の全米オープンでは惜しくもジャック・ニクラウスに敗れたものの3位タイに入るなど、ツアーで10勝を挙げている玄人好みのゴルファーだった。

トップアマのような綺麗なスイングで、ターゲットに正確に打つ。スイング理論もしっかりしているため、レッスンも上手だし、シニアツアーでは22勝を挙げ、今ではテレビの解説者としても有名である。

そんなジャニュアリーが肝に銘じていたのが、ボールをやさしく打つこと。

「アマチュアは短いクラブで力一杯打つからボールが曲がるのです。大きめのクラブでやさしく打てば、スイングが自然に良くなってナイスショットが出るようになり、スコアも良くなるのです」

まさしく目から鱗が落ちる名言である。

ジャニュアリーは自分の隣で、アーノルド・パーマーが力の限りにボールを叩いて右に左にと曲げて四苦八苦のゴルフをしていたのを、クールに見つめていた。

「スコアカードに飛距離は書かないよ」と。そう、ゴルフはやり投げやハンマー投げのように飛距離を争うのではなく、スコアを競うスポーツなのだから。

ならば、力一杯にボールを打つ必要はなく、狙ったところに打つことこそ大切なのだ。

ボールを自分のパートナーと思って、ボール自らが真っ直ぐに飛ぶという仕事をしてくれると思って打ってみてはどうだろう。

DON JANUARY

1929年11月20日テキサス生まれ。PGAツアー10勝、シニアのチャンピオンズツアー22勝。’67年に全米プロ優勝、このシーズンはツアー最少平均スコアを記録してヴァードントロフィーを獲得。ショットの正確さをスコアで実証した。シニアで大活躍したことで「ドン・ジャニュアリーのスーパーシニアゴルフ」というビデオも出している。