2021.10.7

[vol. 02]

オノフ『島』紀行 ②
リゾートコースをもう一度



都心から2時間足らずで行ける離島、伊豆大島。
ここに1956年、9ホールのゴルフ場が誕生しました。
1958年開業のリゾートホテル、大島小涌園の付帯施設として
ホテルに先駆け、開場した大島ゴルフクラブです。

2000年にホテルは閉鎖となり、
ゴルフ場はその後も自主運営を続けてきましたが、
華やかだった施設は老朽化が進み、コースは荒れる一方だったそうです。
それを見た島のゴルファーの皆さんが立ち上がり、
自らの手でコースの整備をするようになって、
以来、ゴルフ場は大切に守られてきました。


コースは文字通りオーシャンビュー。
フェアウェイが広々として実に雄大です。
広島カンツリー倶楽部や朱鷺の台カントリークラブ、
夏坂健さんが愛したリンクス、根室ゴルフクラブなどを手がけた
丸毛信勝氏の設計は自然のアンジュレーションを活かして変化に富み、
海や三原山からの風が一筋縄ではいかない面白さをさらに演出しています。

この素晴らしいコースを再び活気あふれる場所にしたいと
新会社を立ち上げ、本格的な運営を始めたのが
現在、クラブの会長を務める工藤章さんと同社長の工藤強さん、
同専務の工藤裕さんでした。
新しいコース名は前回もご紹介したとおり
『伊豆大島リゾートゴルフクラブ』。
これには「雄大な伊豆大島の自然環境と大島町に暮らす方々とともに
憩いの場として人々が集まれる場所に」という思いが込められているそうです。

ここをみんなの社交場に

「私達が目指しているのは『人が集まる場所を提供する』こと」と
社長の工藤強さんはおっしゃいます。
「リゾートというと豪華なイメージを持たれるかもしれませんが、
『人のよく行く所』や『たまり場』といった意味もあるんです。
そんな場所を目指したいという想いを込めて
『リゾート』という言葉を名前に入れました」

今年8月1日にプレオープンを迎え、
その後も正式オープンに向けた準備が着々と進んでいるそうです。
島民の皆さんや島外から訪れる皆さんの“たまり場”となる施設面を見直し、
クラブハウスを大改修。明るくフレンドリーな雰囲気の受付の先には
開放感たっぷりのカフェ『カメリア』が完成しました。
アプローチ部分には、お手伝い役を務めさせていただいているオノフの
さまざまなアイテムや写真パネルなどを展示するコーナーも常設されています。

カフェではおいしいコーヒーやスイーツ、パスタなどを
窓の外に広がる雄大な景色とともに味わえます。
「ゴルフをしない方にも利用していただけるようにしたかったんです。
ご家族がラウンドしているあいだ、カフェでゆっくり過ごしたり、
子供たちを連れてママ友が集まったり。
天気のいい日も雨の日も、ゴルフだけの場所ではなく誰でも集まれる、
そんな社交場としてのクラブにしていきたいと思っています。
受付もハウスの1階からメイン玄関のある3階に移設して
皆様をすぐにお迎えできるようにしました。
受付からカフェに向かう途中に造ったオノフコーナーも
ハウスの見どころのひとつになっていて、
来場された方が足を止めて眺めていらっしゃる姿をよくお見かけします」

工藤さんはじめスタッフの皆さんは、カフェのタイルカーペットの
張り替えなどの改修作業を自ら行ってきたそうです。
「古い建物なので修繕が必要な場所が多く、大変なこともありますが
できることは自分達でやろうと思っています。
今も気象条件などを照らし合わせながら段階的に作業を進めているところで、
次はいよいよコースの本格的な整備に入る予定です」

新会社設立の正式発表が行われる前は、
伊豆大島からゴルフ場がなくなってしまうのでは?という
噂も流れていたそうです。
「こうしてゴルフ場が活気を取り戻しつつあることを
喜んでくださっている方がたくさんいらっしゃいます。
ゴルフをしない方がカフェを利用される機会が
少しずつ増えてきたのもうれしいですね。
さらに、皆様に楽しんでいただける場所となるよう
これからも尽力していきたいと思っています」(工藤さん)

みんなが集うクラブとして生まれ変わった島唯一のゴルフ場。
オノフも島ゴルフを愛する皆さんのためにお手伝いを続けてまいります。
次回は伊豆大島リゾートゴルフクラブのコースに関する話題や
島の見どころなどについて、お話ししたいと思います。
文(一部写真も)/オノフ担当 朝岡郁雄

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