2022.7.25

[vol. 07]

愛すべき9ホール②
千葉県・広池学園ゴルフクラブ


千葉県柏市にとても魅力的な9ホールがあると聞き、仲間を誘って行ってきました。麗澤大学キャンパスの一角に造られたパー3コース。初めてのラウンドです。JR常磐線・南柏駅からバスで数分の場所ですが、そこには周辺の住宅街とは隔絶された別世界が広がっていました。

広池学園GCは全長1274ヤード(最短73~最長210ヤード)。豊かな緑に囲まれ、打ち上げ・打ち下ろしと変化に富んだレイアウトで池越えも2ホールあります。2段グリーンやアリソンバンカーのような深いガードバンカーが待ち構えるホールなど、本コースのような景観にまず驚かされました。

地元出身のPGAティーチングプロで、ここに務めて30年という支配人の高田成幸さんは「もともとの地形をとても上手に使って9ホールがレイアウトされたコースです」と話します。「各ホールのデザインも趣向が凝らされていて、景色や攻め方がすべて異なります。ティショットを打つ際は、本コースのパー4の2打目、あるいは距離のあるホールならパー5の2打目のつもりで攻めるとイメージがわきやすいかもしれません。グリーンまわりも単調なところはありませんから、いい実戦練習になりますよ」

昭和45(1970)年の開場以来、コースは姿を変えることなく歴史を刻んできました。昭和40年代といえば第二次ゴルフブームの到来で活況を呈していた頃。開場時には杉本英世プロや佐藤精一プロをはじめとする当時のトッププレーヤーを大勢呼んで記念イベントが行われたという記録も残ります。
そして今は、女子ツアーで活躍中の吉田優利プロ、西郷真央プロ等を輩出した麗澤中学・高校ゴルフ部の練習コースとしても使われているそうです。

グリーンやフェアウェイはもちろんのこと、ハウス前の植栽からホール間のインタバルに至るまで、敷地内はどこも手入れが行き届いて気持ちよく、1年中欠かすことなく咲かせているという花々が目を楽しませます。時折、カワセミやタヌキが姿を現すこともあるそうです。

私達の前の組には担ぎで颯爽とラウンドしている方がいました。ハウスに上がってびっくり。こちらに通い続けて20年以上、御年70歳代のベテランゴルファーさんとそのお仲間でした。近くにこんなコースがあれば、元気に長年通い続ける常連さんが多いというのもうなずけます。

毎週土曜日の夕方には近所の練習場に通うジュニアゴルファーの皆さんが、コースに触れ、ルールやマナーを身につけていく『コース学習』が行われているそうです。
また、支配人が自ら教えてくれるレッスン会も人気があり、こちらは年齢や腕前の制限なし。コース内でのバンカー、アプローチ練習とラウンドを組み合わせたゴルフ教室の他、希望があればプライベートのラウンドレッスンにも随時対応しています。

柏市ではプロ・アマ・年齢・性別を問わず、誰もが挑戦できる『柏オープンゴルフ選手権』という競技を例年秋に開催していて、大会前日には前日祭の『パー3チャレンジ』がこのコースで行われています。1番ホール(130y)を使ったホールインワンチャレンジ(入れば100万円!!)や全ホール対象のニアピンチャレンジなど盛りだくさんの内容で、普段は静かなコースもこの日ばかりは大いに賑わうそうです。

2つある池越えホールのひとつ、9番は最長210ヤード。砲台状のグリーンに向かって緩やかに打ち上げていく名物ホールです。
グリーンの奥行きが狭く、高田支配人によると「かなりのショット力が求められる難ホール。ワンオンできる人は年間で数えるほど」だとか。私達がプレーした日は189yの前のティからでしたが、それでも力が入りました。

場内はどこも落ち着いた雰囲気で、とても居心地のいい空間でした。こぢんまりとしたクラブハウスにはテラス席があり、まるでリゾート地に来たような気分を味わえます。

ゴルフしたいと思い立ったらすぐに行ける場所にあり、スタート前やホールアウト後は1日の半分を他のことに使えます。気候の厳しい時ほど近場の9ホールはありがたい存在です。 周辺には大きなショッピングモールや公設市場(下の写真)があり、買い物や食事も楽しめます。夏のショートトリップにぴったりな9ホールでした。

文/オノフ担当 朝岡郁雄

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広池学園ゴルフクラブ
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