1952年生まれ、東京都出身。ヒルトン・ハワイ アジア地区担当営業本部長。青山学院大学法学部入学後、ハワイ大学に編入。旅行会社、ホテルチェーン勤務を経てヒルトン・ハワイへ。入社10年で日本人シェアを5%から54%に増やす偉業を達成し、ハワイ観光業の第一人者として語り継がれる。ハワイに移り住んで50年、ハワイ諸島のゴルフ場を知り尽くす事情通。ゴルフ歴45年、USGAハンディ6.4。
ゴルフ上達の2年間
ワイコロア・ビーチリゾート・ゴルフコース。ハワイ島の西海岸、コハラコーストは世界屈指のゴルフ天国として知られています。
この2年半のあいだ、ハワイの観光地は本当に火の消えたようでした。アメリカ本土からのお客様がワイキキに戻り始めたのが21年の春~夏頃。日本からのお客様はこちらにタイムシェアや家を持っている方が中心で、22年に入ってからもパッケージツアーで来られる方は以前の10分の1ほどです。
そんな状況ですから2020年3月から2年2カ月間、私はヒルトンの仕事から一時外れ、休職していました。主に担当している日本、中国、韓国からお客様が来られなくなり、仕事がなくなってしまったのです。
暗い話になりましたが、とはいえここはハワイです。ステイホームが解ければ、幸い元気な人達はどうしたって屋外へと足が向かいます。私も含め、地元ゴルファーがラウンドを再開するのにそれほど時間はかかりませんでした。
左上=ハワイ島のマウナケア・ゴルフコースで。右上=コースの背後にそびえるマウナケア山。標高は4205mもあります。左下=家族や友人達と。右下=オアフカントリークラブで。フェアウェイに虹がかかっていました。
ハワイ州では2020年4月にゴルフ場がすべてクローズしたものの、5月から徐々に営業を再開していました。ホールカップを浅くしたり塞いだり、レーキを使用不可にしたりと新たなガイドラインのもとでゴルフを楽しむ人が増え、かえって来場者を増やしたコースもあったほどです。
私も以前は週に1~2回のペースでコースに出ていたのが休職中は週3~4回に増え、あちこちのゴルフ場に行くようになりました。おかげでそれまで9だったハンディが一気に4まで減り、ベストスコアの70が2回、ホールインワンも4回達成と、自分でも驚くほどの上達ぶりです。この時はまだ68~69歳だったのでエージシュートは叶いませんでしたが、ゴルフはやっぱり回数だとあらためて実感しました。
今年、仕事を再開してからは週1ペースに戻り、スコアも元通りになってしまいました。エージシュートも遠のきましたが、いつかは実現したいと思っています。
東京で20年、ハワイで50年
夕暮れのワイキキビーチ。少しずつ賑わいが戻ってきました。
私は20歳の時に青山学院大学からハワイ大学に転入し、そのままこちらで暮らすようになりました。ハワイの気候や景色にすっかり魅せられてしまったのです。以来50年が経ち、今では日本に行くのは帰国というより訪日すると言ったほうがしっくりくるようになりました。
ゴルフはハワイ大学の体育授業の選択科目で始めました。当時はハワイでもゴルフはまだ一部の人達のスポーツで、それができるのならと興味本位で取ってみたんです。
ところが始めてみると、バッグを担いでコースを右へ左へと歩き回るだけで、ちっとも面白くありません(笑)。自分には合わないと、6カ月でやめてしまいました。
再開したのは社会人になってからでした。最初の就職先の社長が大のゴルフ好きで、海外から来られる仕事関係先の方達もハワイでプレーするのを楽しみにしていますから、ゴルフができないと仕事にならなくなったのです。
こちらでは日本のように練習場やスクールに通うことはまずありませんし、独立した練習場はオアフ島にたぶん1つか2つしかないと思います。ですから練習したいと思ったら、その日にまわるゴルフ場に早めに行き、ドライビングレンジで打つことになるのですが、それも少数派で、疲れちゃうからやらないと言う人がほとんどです(笑)。
私もドライビングレンジにはめったに寄らず、コースでスイングを覚えました。プレーする機会が増えるにしたがってボールも散らばらなくなり、ゴルフがどんどん面白くなっていきました。
おすすめはネイバーアイランド
カウアイ島の北部、ハナレイ湾を見下ろすプリンスビル・マカイ・ゴルフクラブ。設計者R.T.ジョーンズJr.が自ら手がけた2010年の大改造で、超本格派のチャンピオンシップコースに変貌しました。
ハワイ諸島のゴルフ場はほぼすべて行きましたが、おすすめはやっぱりネイバーアイランドの海沿いコースです。海を取り込んだデザインや景観に優れ、地元ゴルファーが多いオアフ島に比べるとプレーヤーの数が少ないので、のんびりまわれるのも魅力です。
例えば、ハワイ島にあるマウナケア・ゴルフコースはチャレンジングで眺めも抜群です。ここが元祖といわれる海越えのパー3は何度挑戦しても面白く、このホールを目当てに世界中からゴルファーが訪れます。
また、ハワイ島ではワイコロア・ビーチ・リゾートもおすすめです。溶岩と海のコントラストが美しく、うちのホテル(ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ)と同じリゾート内にありますが決して身びいきではなく、ここもいいコースだと思います。
左上=オアフ島のタートルベイ・リゾート アーノルド・パーマー・コース。右上=マウイ島 ワイレアゴルフクラブ エメラルドコース。左下=ハワイ島のワイコロア・ビーチリゾート・ゴルフコース。右下=ハワイ島 マウナケア・ゴルフコース。
他にもマウイ島ならワイレア・エメラルドコース、カウアイ島はプリンスビル・マカイ。どちらもロケーションが最高ですし、オアフ島の中で行かれるのならノースショアのタートルベイ・アーノルド・パーマー・コースもおすすめです。スコティッシュリンクス、林間、シーサイドと変化に富んで、景観もダイナミック。ワイキキから車で1時間近くかかりますが、足を延ばす価値はあると思います。
ホールアウト後はレストランのテラス席でハンバーガーと冷えたビールを頼むのがいつものスタイル。アルコールを飲めない方はプランテーションアイスティーをどうぞ。アイスティーとパイナップルジュースを合わせたハワイではおなじみのドリンクでおいしいですよ。
マウナケア・ゴルフコースのクラブハウスレストラン『ナンバー3』のテラス席とロゴ入りグッズ。
ハワイにマイクラブ持参でいらっしゃる際は大きなキャディバッグではなく細身の小さなバッグに入れ替えて来られるのがスマートだと思います。レンタカーを使うにしても、お友達の車に乗せてもらうにしても軽くて小さいバッグはとても便利です。
時間があったらプロショップものぞいてみてください。シャツやキャップなどのロゴ入りグッズはお土産にもなりますし、どこのゴルフ場でもセールをよく行っているのでサイズが合えば狙い目です。
各地からのホノルル線がようやく運航を再開し、先日、日本で行われた調査ではコロナ収束後に最初に行きたい海外旅行先の第1位がハワイといううれしいニュースも聞きました。皆さんもご家族やゴルフのお仲間とぜひお越しください。この2~3年分の憂さをきっと晴らしていただけると思います。
左上=日本/ハワイ間路線の運航を再開したダニエルK.イノウエ国際空港。右下=金曜夜の花火も復活。ヒルトン・ハワイアン・ビレッジの砂浜に毎週たくさんの方がいらしています。
オアフ島 NEWオープン&再開情報
- 今年はパレードも復活。ダウンタウンのホノルル市庁舎などで開催される『ホノルル・シティ・ライツ』。
Find Information
- タートルベイ・リゾート アーノルド・パーマー・コース
- 18H 7218Y P72
開場/1992年
設計/アーノルド・パーマー、エド・シェイ
海やサンセットの圧巻の景色と共にプレーを楽しめる人気コース。オアフ島北部、約8kmにわたるビーチ沿いのリゾートには他に全室オーシャンビューのホテルや乗馬施設などが揃い、サーフィン体験などの多彩なアクティビティも楽しめる。
- マウナケア・ゴルフコース
- 18H 7370Y P72
開場/1964年 設計/R.T.ジョーンズSr.
60年近い歴史があり、ハワイ島・コハラコーストの中でも草分け的存在。2009年にリース・ジョーンズによる改造が行われ、コースはオリジナルのコンセプトを変えることなくより戦略的に進化。ティは5面用意されているので幅広いレベルで挑戦可能。
- ワイコロア・ビーチリゾート・ゴルフコース
- 27H 10088Y P106
開場/1980年
設計/トム・ワイスコフ、ジェイ・モリッシュ、R.T.ジョーンズJr.
ヒルトン・ワイコロア・ビレッジに隣接。スコティッシュリンクスを思わせるキングスナイン、オーシャンフロントの景観を生かしたビーチナイン、溶岩と池のコントラストが美しいレイクスナイン、それぞれ美しい景色と手応えのあるプレーを楽しめる。
- ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ
- ハワイ島コハラコーストの海に面して広がるアミューズメントパークのようなリゾート。2つのホテルタワーや14のレストラン、スタジアム型テニスコート、イルカと触れ合えるプールなどが点在。広大な敷地内をトラムやボートで巡ることもできる。
- ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾート
- ホノルル国際空港から約20分。ワイキキで最も広いビーチに面した広大な敷地にレインボータワーなど5つのホテルタワー(計2860室)を有し、プールは5カ所。ワイキキの名物になった花火ショーは毎週金曜開催。目の前のビーチから打ち上げている。
- Allhawaii(オールハワイ)
- ハワイ州観光局の公式ポータルサイト。基本情報をはじめ、アクティビティや観光スポットなど情報満載。