2018.11.2
「パットは入れることしか考えていません」。強気のパットを打ち続けているという大城さつき。たとえカップイン出来なくても、カップオーバーのパットなら返しのラインが分かるから外す確率は低まる。そんな大城に飛距離アップやアプローチショットのワンポイントアドバイスをしてもらった。意外にもキーワードは「シンプル」だった。
- 今季ツアーで新オノフドライバー赤を使い始めて、飛距離が伸びているそうですね。アベレージゴルファーにとって飛距離アップは永遠のテーマです。飛ばす秘訣をぜひ教えてください。
「ルールで規制はありますが、シャフト長を長くすればするほどスイングアークが大きくなり、計算上では飛距離がアップします。でもその反面、ミート率は落ちます。ですから、飛ばしを求めるなら、ミート率を重視してまずはシャフト長を短くすることですね。
実際、私もシャフト長を44・75インチと短めに設定してミート率を高めています。長いクラブを一生懸命に振っても芯でボールを捕らえなければ意味がありませんからね」
- クラブの長さを短くしてミート率をアップさせるのが飛ばしの早道?
「はい。たとえリシャフトしなくても、グリップを短く持って打つだけでも結果は相当違ってくるはずです。
プロアマ大会で回るアマチュアゲストの方を見ると、クラブを目一杯長く握って振っていることが少なくありません。クラブを長く握ってしまったのでは、つい手先だけで打ちやすくなってしまう。グリップエンド側ではなく、グリップ先端部分を握ってぜひ打ってみてください」
- スイングの仕方は?
「振り方は私自身、考えたことがありません。自分が振りやすいように振るのが良いと思います」
- グリーン周りからのアプローチショットも?
「もちろんです(笑)。ダフリやトップのミスをするアマチュアは、そのほとんどが打ち方よりも前にクラブの握り方を誤っていますよね。長く持ちすぎ。それこそ、グリップ先端部分を握って打つだけでもダフリやトップのミスが激減するはずです」
- ショットはまず「ミート率アップ」を最優先させる。シンプルな考え方ですね。
「実は私は、アプローチショットはサンドウェッジ1本で上げる、転がすを打ち分けるタイプなんです。沖縄育ちのゴルファーのためか、育ったコースの芝質(ティフトン芝)のお蔭でボールを止めづらかった。ですから低く打ち出してランで寄せる打ち方がスタンダートになり、ショットイメージも出しやすいんです。
ピッチングウェッジや8番アイアンで打つ方法もありますが、私の場合それでは距離感が合わなくなってしまう。半年間ほど練習もしましたが、うまく行かなかったのでサンドウェッジ1本で打ち分けています」
- アドレス前のショットイメージをとても大切にしているのですね?
「素振りまではスイングのことも考えることはありますが、アドレスしたら考えません。決めて構えたらパッと打つ。フィーリングを重視しています」
- 「考えるな。感じろ」という名言もありますが、自身は理論派ではなく感覚派だと思いますか。
「コース内ではスイングのことをあれこれ考えないようにしている。というか、考えませんね。持ち球は現在ドローボールですが、それでボールが捕まりすぎたり、捕まらなかったりした時はアドレス向きを間違っていたと思うようにしています。
パットでもよく有りますよね。想定したパットラインよりも右に打ち出したり、左に引っ掛けたりすることが。それは打ち方ではなく、アドレス向きの狂いによってボール位置がいつもとは違ってしまった結果が多い。引っ掛け気味ならボール位置を少し右足寄りにしてみる。それだけでもパットが随分変わって来ます」
- パットストローク法は?
型にはめず、振りたいように振るのが一番です。ストロークという『型』にはめようとするから肝心なこと=パットはカップにボールを入れる=を忘れてしまうんです」
- さすが感覚派ならではのアドバイス。目からウロコが落ちた気がします。
「ホントですか?少しでも皆さんにお役に立てれば嬉しいです」
- 貴重なアドバイスありがとうございました。シンプル思考でぜひツアー初優勝を飾ってください。
「期待に応えられるよう頑張ります」