2019.08.26
チーム・オノフ浅地洋佑が全英オープン出場から帰国した。「全英オープンはこれまで味わったこともない大会雰囲気が漂っていて、楽しかったです」と浅地。さすがに大会初日のスタートティーでは緊張感に襲われたという。結果は通算6オーバー・67位タイ。世界最古のメジャーで予選通過を果たし、新たな目標を抱いてツアー後半戦に臨む浅地に近況をインタビューした。
- 自身初の世界メジャー挑戦は如何でしたか。
浅地楽しかったですよ。メジャーならではの雰囲気なのでしょうね。コースだけでなく、開催する町中全体がお祭りのようでした。コースに入って、まずギャラリースタンドやギャラリープラザの規模の大きさに驚きました。
仮設でしたが選手ハウスにはロッカーを始め、トレーニングジムやシャワールーム、それにラウンジも備わっていました。お酒も用意されていて、出場選手へのホスピタリティーが完璧でした。
- 宿はどうしたのですか。
浅地コースから車で10分も掛からない地の4LDKの家を借りました。キャディーやトレーナーらと計5人で寝泊まりしたのですが、僕は毎日、大会が用意してくれた送迎車に乗ってコースへ向かったのでとっても楽でした。それだけでもVIP感を覚えますよね。選手が試合に専念できる環境を用意してくれる。さすがメジャーだと思いました。
- 日本の試合では体験できませんね。
浅地開催前週に渡英したので、多めに練習ラウンドをすることができました。セルヒオ・ガルシアが飛び入りして一緒にプレーしたこともあったし、練習場では隣の打席でタイガー・ウッズ、その隣にリー・ウエストウッドがボールを打っていたこともありました。
- タイガー・ウッズのプレーをテレビで観たのが、ゴルフを始めるきっかけだったと…。
浅地はい、そうなんですよ。だから、とっても感動しましたし、メジャーに出られて本当に良かったと思いました。トラックマンでのショット計測も行われていたのですが、僕とタイガーのショットが同じ画面に映し出されてまたまた感動しました。嬉しかったです。
- ウキウキ気分になってしまいますね。
浅地でも、大会初日のスタートは緊張感に襲われました。パー4ホールでしたが、両サイドにOBがあり、「どんな球になってもいいから、とにかくフェアウエイに行ってくれ!」と願いながら打ったほどでした(笑)。願いが通じてフェアウエイのど真ん中へ飛んでくれて、バーディー発進。2番ホールでもバーディー奪取ができて2アンダー。スコア貯金が二つも出来て落ち着きを取り戻しました。
- 初日は4バーディー・3ボギー・1ダブルボギーの72、1オーバーでのフィニッシュ。54位タイ発進となり、迎えた2日目は予選通過が懸かっていました。
浅地はい。予選通過はどうしても果たしたかったですね。その思いが強まり過ぎたのか、前日とは打って変わってのダブルボギー発進になってしまいました(苦笑)。でも、そのお陰で冷静になれたというか、開き直ったというか、サッパリして、どこか吹っ切れたような気がします。
最終18番ホールを迎えて1オーバー。予選カットラインは70位。僕は52組中、26組目でした。その時点で2オーバーでも72位だったから、予選は余裕で通る。最終ホールは積極的にバーディーを狙って行こうと考えました。結局パーでしたけどね。
しかし、残り26組の選手が思ったほどスコアを落とさず、逆にスコアを伸ばして、予選カットのスコアが通算1オーバー・58位タイに上ったんですよ。最終ホールでボギーだったら、予選落ちでしたね。やっぱりレベルが高いのだと痛感しました。
- それでも目標だった予選通過は出来た。決勝ラウンドの目標は?
浅地首位とは9打差もあったので、その差を少しでも縮めたいと考えました。できれば30位以内に食い込めたなら御の字かと。渡航費の赤字を少しでも減らしたいと。
- 結果、67位タイ。
浅地最終日の悪天候からしてスコアを伸ばすのは至難のワザでした。晴れていたかと思うと雨が降り、雨が止んだと思えば強い風が吹き付ける。それこそ10分おきに天候が変わる。風ゴルフは苦手ではありませんし、練習ラウンドをたくさんこなしていたのでそれほど戸惑いませんでしたが、あんなに強い風はキツイ。
- 67位タイでも確か賞金270万円弱でしたよね。
浅地日本のトーナメントならトップテン相当の賞金額です。お陰で獲得賞金を270万円も上積みすることが出来ました。嬉しいです。
- 賞金ランキング3位に上がりましたからね。
浅地全英オープンを終えての新たな目標に定めたのが、10月中旬に日本で行われる米ツアーの「ZOZOチャンピオンシップ」出場です。日本ツアー賞金ランキング上位7位までの選手が出場できる試合なので、何としてでも出たい! これからブリヂストンオープンまでの8試合終了時点で上位7位までに食い込んでいたなら叶うんです。
- 再びタイガー・ウッズと一緒の舞台でプレーができることになりますからね。昨年はシードに返り咲き、今年はツアー初優勝を飾り、世界メジャーにも出場しています。目覚ましい活躍ぶりですが、その要因は何だと思いますか。
浅地これだ!とは言い切れませんが、いろいろな方々に支えられ、応援して頂き、サポートしてもらっていることが大きいですね。たとえば、クラブでも僕のスイングに適した仕様に作ってもらったり、調整してもらったりしています。今年の初めから使い始めたオノフの新アイアン(オノフ フォージドアイアン黒)の存在もその一つです。
マッスルバック形状で見た目はソリッドですが、実際に打ってみると中空構造なのでこれまで使っていた赤アイアンに引けをとらないほどやさしい。狙ったポイントへボールを運べるんです。羊の革を被った狼という言葉がありますが、フォージドアイアン黒は「狼の革を被った羊」という表現がピッタリ。見た目は格好良く、打ってみると、とってもやさしいんです。
- アイアンショットの良否はスコアメイクに直結しますからね。
浅地全英オープン初挑戦で初優勝とは行きませんでしたが(笑)、ハイレベルな試合で4日間プレーできたのは、このアイアンのお陰だったと言っても過言ではありません。
- 相当、気に入っているというか強い味方になっているようですね。次回は、黒アイアンについてインタビューさせてください。(つづく)