2019.11.28
今季の国内女子ツアーは、まもなく最終戦を迎える。TOTOジャパンクラシック終了時点でチーム・オノフの大城さつきは獲得賞金額2443万円で賞金ランキング45位。来季の賞金シードをほぼ確定させている。昨季は獲得賞金額2222万円で賞金ランキング50位とシード獲得ギリギリだったことを考えると、精神的に余裕があるようだ。それよりも獲得賞金額の自己ベストを更新しそうなだけに、もう一つの目標であるツアー初Vを今季中に達成したいはずだ。そんな大城に近況を尋ねた。
- 今季ツアーの前半戦では、初日に好スタートを切り、優勝争いを繰り広げることが多かったですね。前半だけでベストテン入りが3回を数え、公式戦のワールドレディスでは6位タイの成績を残しました。それに比べるとツアー後半戦は少し大人しくなってしまった観がありますが…。
大城セカンドショットでグリーンを捕らえられないんです(苦笑)。バーディーチャンスを作れないわけですから、パーセーブするのに必死です。ドライバーショットはもともとフェアウエイを捕らえられないタイプなんですよね。
しかし、それでも前半戦はラフからでもグリーンキャッチが出来ていたのですが、それがアイアンの飛距離が急に落ちてしまって。10ヤード近くも飛ばなくなってしまったのです。
- ひと番手違って来ますね。それは大変ですね。それが成績を不振の要因に?
大城でも、もう大丈夫です!
- アイアンショットの飛距離が戻ったのですか。一体どうのようにして?
大城練習を「ちゃんと」しましたから(笑)。原因は単純なことで、実は1カ月近く練習をあまりしていなかったからです。
開幕戦から休まずにツアーに出場し続けて疲労が溜まってしまって、ラウンド後の練習を控えていました。このところ雨の中でのラウンドが多くなり、ホールアウト後も雨だと集中力が切れて練習しても意味がないし、体力もダウンしていました。
基本的にはツアーは休みたくありません。それでも今年はニチレイレディスを休ませて頂きました。ツアーは休んだものの、そのトーナメント週は2日間ほどプロアマ大会のお仕事があったので、ゴルフをまったくしなかったわけでもないんですけどね。
夏場になると北海道開催の試合が増えますよね。実は北海道開催のトーナメントが得意ではありません。予選通過率10パーセントかも。芝がクラブに絡みつく洋芝が苦手で。 疲れが抜けないから練習しないでは、さすがに成績は出せない。飛距離が落ち始めている。さすがにヤバイと感じてちゃんと練習をするようになったのです。
- 前半戦のようなゴルフを再びできそうですね?
大城大会初日に好スタートを切れた試合がいくつかありましたが、首位争い、優勝争いを繰り広げたことで肉体的、精神的な「見えない疲労」が知らず知らずのうちに蓄積していたように思います。
その後、不調に陥り、6月過ぎにはネガティブになってしまった時期もありました。でも、以前とは違って「どうしよう」と不安のどん底にドップリと浸かるのではなく、「練習していないから仕方ない」って割り切れていました。
- ポジティブ思考で居られたというのは、去年よりも精神的な成長を遂げたとも言えますね。
大城かも知れません。落ち込むことはありませんでしたからね。去年のツアー後半はシード権を保持できるかどうかもあって精神的にも辛かったですからね。
- 今年は一昨年の獲得賞金額2498万円を超えそうな勢いもあります。
大城自分では獲得賞金額のことは全く考えてもいなかったのですが、周りから自己ベスト更新だと言われて「頑張れば届くかな、超えられるかな」と思うようになりました。
- ツアーの残り試合数は少なくなって来ましたから、早く決めたいですね?
大城はい。でも季節が季節ですからね…。私、冷たい雨と寒さが苦手なんです。沖縄生まれの沖縄育ちですから、本州の秋や冬の天候、気温にどうしても慣れない。寒さ対策に使い捨てカイロを体に滅茶苦茶貼り付けるんですよ(笑)。「貼りすぎでしょ」と言われても、しないで済ませられない。手袋にも。足にも…貼るくらいです。
- 気温が低くなったこともアイアンショットの飛距離ダウン原因では?
大城確かにそれもあるかも知れませんが、バックスイングで右脚に体重が乗らず、左肩が入り切っていないことに気づきました。それからはショットが良くなったのです。傍から見たならスイングが変わっていないように思えるでしょうが、タイミングが微妙に違っていた。感覚のズレが生じていたのです。微妙な感覚のズレでショットがこんなに違って来るのかと…勉強になりました。
- 風邪が流行り出す季節になりましたから、体調にも十分注意してください。
大城有難うございます。残り試合も頑張って行きます。その結果が初Vにつながれば最高です。応援よろしく願いますね!