2023.07.26
今季はツアー通算6勝目、獲得賞金5億円突破の記録達成を目指しているチームオノフの黄アルム。予選通過と予選落ちを繰り返し、ツアー前半戦を終えての最高順位は、明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメントでの13位タイと「足踏み」状態が続いている。しかし、優勝争いを演じられないもどかしさよりも、「活躍に向けての準備が整って来た」と笑みを浮かべならアルムはインタビューに応えてくれた。
- 今季ツアーでは「良いゴルフをすること」を目標に掲げていましたが、ベストテン入りがまだありません。その理由をご自身はどう分析しているのでしょうか。
黄 ショット自体は、ほとんど問題ありません。ただ、プレーの流れにうまく乗れていないというか、ショットとパットがうまく噛み合っていないだけだと思っています。ショットが良い時はパットが決まらず、パットが良い時はショットがイマイチとかが続いてしまう感じです。うまく噛み合えば好成績は残せるのですが、良い波を待ちながら、その波がなかなか来てくれないサーファーみたいです(苦笑)。
- プロトモデルのドライバーをすでにツアー投入しているのですか。
黄
プロトモデルの段階で一目惚れでした。「顔」が本当に良かったんですよね。お陰で出来上がって来たドライバーを実際に手にしても違和感がありませんでした。
ロフト10度のヘッドは、私にとってはボールが少し上がり過ぎる感じでしたが、ロフト9度のヘッドは弾道の高さ、ボールの伸びがイメージとピッタリだったので、すぐに(6月中旬から)使い始めました。
- ショットの不安はそれほどない?
黄
はい、ありません。心強い味方も増えたんですよ。新しいプロトタイプの3番ウッドです。さすがにラフからのショットでは手にすることはありませんが、フェアウエイからでは多用しています。ボールのライが多少悪かったり、左足下がりのライだったりしても安心して打てるんです。ジャストミートしづらい状況からでも強い当たりでボールが前に行ってくれるし、サイドスピンが少ないので左右に曲がりづらく、しかもランが出る。クラブがボールを弾いて飛ばしてくれるので本当に助かっています。
パー5ホールでのバーディーチャンスが増え、バーディー奪取率も自ずと高まったと感じています。また、狭いホールでのティーショットの際も使っていますが、両サイドのフェアウエイバンカーの間を狙ってボールを運べるのも強味です。
- 3番ウッドは地面のボールを打つクラブの中で、直ドラを除いて、シャフトが最も長く、ロフトが立っているだけに難しいですよね。
黄 確かにそうですよね。でもこのプロトタイプの3番ウッドは難しくない。たとえジャストミートできなかったとしても飛距離ロスが少なく、左右の曲がり幅は抑えてくれる。ソール形状がアイアンっぽくて地面とのコンタクトが良いお陰で気持ち良く振り抜けます。以前は左足下がりのライからのショットでは5番ウッドを選択するケースがほとんどでしたが、今は3番ウッドで臨んでいます。
- アグレッシブなゴルフに徹することができますね。
黄 それとロフト48度の新しいプロとタイプのウェッジも良い感じなんですよ。3番ウッドと同じくソール形状がよく考えられていて、ボールをクリーンヒットしやすく、ヘッドの抜けが抜群なんです。ウェッジに求められる縦の距離感も出しやすい。
- 飛距離の目安は?
黄
私は95~108ヤード。ですからパー5ホールでは新3番ウッドでグリーンに近づけ、ウェッジで3打目を打つケースが増え、バーディーチャンスも増えた。実際、パー5ホールでのバーディーが多くなりました。
これまでウェッジはすぐには変更したことがありませんでした。でもこのウェッジは手にしてすぐに気に入り、投入したくらい完成度が高い。みなさんも、楽しみにお待ちください。
- お母様が応援のために来日する予定だったと聞きました。
黄 はい、当初はその予定でしたが、上り調子に向かっている中、自分が来日したことで調子を落としてしまったら…と考えたようで、今回は予定見送りになりました。母がそばにいてくれるだけで気持ちが癒されますが、「上り調子」に思えたからというのは、ある意味それだけで励みになります。その気遣いに応えられる結果を挙げ、母を日本に招きたいと思います。
- 表彰式でお母様と一緒に記念撮影ができることを願っています。
黄 ありがとうございます。決して不調ではないので、ホント「良い波」に乗って、まずはベストテン入り、優勝争いを演じられるように頑張ります。