2019.11.28

[Part. 31]

Part. 31 2019・11・18 李 知姫 近況インタビュー

今季国内女子ツアー第7戦「KKT杯バンテリンレディスオープン」で逆転優勝を果たしたのはチーム・オノフの李知姫だ。ツアー通算勝利数を23勝に伸ばし、永久シードを獲得できる30勝まであと7勝に迫った。その後は「日本タイトル、メジャー奪取」を目標に掲げてツアーに臨んだ。しかし、メジャー戦は、日本女子プロゴルフ選手権、日本女子オープン優勝を逃し、残るはツアー最終戦の公式戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を残すばかりとなった。オノフのクラブを武器に最終戦に照準を絞る李 知姫に近況をインタビューした。(インタビュー日:11月18日)

- 今季は新しいオノフドライバーを携えてツアーに臨み、優勝1回、2位1回を果たす活躍をしています。最初にお聞きしたいのは、ドライバーの選び方です。プロはどんな点をまずチェックするのでしょうか。

クラブの「顏」です。イメージしたショットラインに対して構えやすいか、構えにくいかですね。すっと構えられるクラブもあれば、ぎこちなさを覚えるクラブもあります。大型ヘッドは構えづらいかも知れないと思っていました。
その点、この新しいオノフ黒ドライバーは、ヘッドの大きさを感じませんでした。思っていたよりも「構えやすい」と感じたのが第一印象でした。ヘッドに厚みがあり、クラウン部分には丸みが施され、ヘッドカラーが黒色なために締まって見えたからかも知れません。

- 試打してみての印象は如何でしたか。

新しいドライバーをテストする時は、今使っているエースドライバーと同じシャフトを装着してもらってから打つようにしています。異なるシャフトではスイングのタイミングが違って来ますし、飛距離はどうなのか、打球感や打球音の違いもわかりづらくなってしまうからです。
第一印象としては打球感が硬めで、弾道が高めだと感じました。そこで様々なシャフトをテストして自分に最適なシャフトが見つかりました。

- 自分のスイングにベストなセッティングが見つかったのですね。

はい。弾道がイメージ通りになり、スピン量が抑えられてボールはドロップ気味に飛んでくれる。ジャストミートとミスヒットした際の飛距離や方向安定性の差がほとんどなくなりました。
これまで愛用していたシャフトをドライバーに装着してみて、」エースドライバーとは違う感覚になってことで最適シャフト探しをしたわけですが、意外とすぐには見つかりませんでした(苦笑)。スピン量が違ったり、キャリーが安定しなかったり……。
そこでシャフトの長さを変えて試したりもしました。
2年前はシャフトの長さを45.5インチにしていたので、その長さにしてみたらイメージとスイング感覚が同じになったのです。振りやすくなり、飛距離もショット方向安定性もアップしました(笑)。

- 45.5インチを長いとは感じませんか?

構えると長いとは感じません。違和感なく構えられますし、打球感も良くなったのは、ヘッドとシャフトの組み合わせがベストに設定できたからだと考えています。
イメージとシャフト感覚が合致したことでイメージどおりにスイングできるため安心して打てます。イメージと現実が同じになることがとても大切だと思います。

- 今季優勝後はメジャー大会制覇を目指していましたよね。

日本タイトル奪取はできませんでした。日本女子プロゴルフ選手権ではショットもパットも上手く行かず、プレーが大変でした。「こういうこともあるんだな」と、予選落ちをしても、気持ちの切り替えるようにしました。7月頃からショットが良いとパットが入らない。パットが良いとショットは良くない。うまく噛み合わないラウンドが続いていたのですが、それをメジャー大会まで引きずってしまった感じでした。

- でも、予選落ちした日本女子プロゴルフ選手権の次戦デサントレディース東海クラシックでは2位タイの好成績を残しました。気持ちをうまく切り替えられたのですね?

第2、第3ラウンドでスコアを伸ばし切れずの2位タイでした。気持ちの切り替えというか、単純思考が良い成績をもたらす。ゴルフってそういうスポーツだと思います。前向き、プラス思考であることが大切なんですよね。
例えば、ボギーを打ってしまったら、そのこと自体は引きずらずに次のホールに集中する。その一方で、ボギーの原因が攻略プランなのか、それともショットのミスによるものなのかを追求して結論も導き出しておかなければなりません。気持ちのONとOFFをしっかり行わないと自分本来のプレーができなくなる。基本的には残りホールに集中することが一番の得策だと思います。

- さすが、チームONOFF(オン・オフ)ですね。獲得賞金総額が12億円に近づいていると話題になっていますが如何ですか?

獲得賞金や成績結果は見ない、調べないタイプなんです(笑)。でも、話題を提供できてうれしいですね。できれば早く達成したいですし、いつも以上に頑張ろう!とモチベーションが高まります。

- 女子ツアーはオープンウイークが少なく、連戦で疲労は溜まっていませんか。

もしかしたら20代のころが一番体力不足だったかも知れません。日本のツアーに本格参戦して36、37試合もあり、そんなに連戦したことがなかったからです。当時は、とても疲れていて「長くは続けられない、30代で引退かな?」と感じたほどでした。
ツアー連戦に慣れ出し、30代の入ってからは飛距離がアップしましたが、それでも「40代になったら引退かも」とは思っていました。しかし、オノフのクラブのお陰で30代後半に入っても飛距離が落ちないし、体力アップで疲れも溜まらない。それこそ、ここ3、4年はメチャ元気です。
とは言っても、さすがにツアー人生はもう長くはないとも思えるので、一試合一試合に悔いを残さず思い切りプレーしています。

- ツアー最終戦は公式戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップです。メジャー最終戦ですから、目標達成のラストチャンスです。

ショットとパットをうまく噛み合わせられるように調整し、ベストを尽くします。

- 朗報をぜひ届けてくださいね。今日はありがとうございました。

  • LINEで送る
  • LINEで送る

BACK NUMBER

  • 2024・11・14
  • Part.69
    2024・10・22 黄アルムプロインタビュー
  • 2024.08.08
  • Part.68
    2024・6・17 重永亜斗夢プロインタビュー
  • 2024.06.07
  • Part.67
    2024・4・30 小林光希プロインタビュー
  • 2023.12.25
  • Part.66
    2023・12・13 重永亜斗夢プロインタビュー
  • 2023.10.18
  • Part.65
    2023・10・09 浅地洋佑プロインタビュー
  • 2023.08.23
  • Part.64
    2023・8・07 重永亜斗夢プロインタビュー
  • 2023.07.26
  • Part.63
    2023・6・20 黄アルムインタビュー
  • 2023.07.20
  • Part.62
    2023・6・20 大城さつきインタビュー
  • 2023.07.12
  • Part.61
    2023・6・27 李知姫インタビュー
  • 2023.07.05
  • Part.60
    2023・6・13 藤田さいきインタビュー
  • 2023.06.07
  • Part.59
    2023・5・22 重永亜斗夢インタビュー
  • 2023.05.16
  • Part.58
    2023・4・27 浅地洋佑インタビュー
  • 2023.03.29
  • Part.57
    2023・3・29 黄アルム インタビュ
  • 2022.12.14
  • Part.56
    2022・11・24 浅地洋佑インタビュ
  • 2022.10.12
  • Part.55
    2022・9・28 小田孔明 インタビュ
  • 2022.09.22
  • Part.54
    2022・8・31 矢野東インタビュー
  • 2022.07.06
  • Part.53
    2022・6・28 浅地洋佑インタビュー
  • 2022.04.20
  • Part.51
    2022・4・7 黄アルムインタビュー
  • 2022.04.20
  • Part.50
    2022・4・7 大城さつきインタビュー
  • 2022.04.05
  • Part.49
    2022・3・24 矢野東インタビュー
  • 2021.01.28
  • Part.45
    2021・1・28 飯島茜インタビュー
  • 2021.01.21
  • Part.44
    2021・1・21 大城さつきインタビュー
  • 2020.12.23
  • Part.42
    2020・12・14 李知姫インタビュー
  • 2020.06.18
  • Part.40 【番外編】
    2020・6・18 FWもソールの意識が重要
  • 2020.06.09
  • Part.39 【番外編】
    2020・6・9 スイングと設計理論の関係
  • 2020.05.14
  • Part.38 【番外編】
    2020・4・24 トーナメント面白話 2 フェースとソール
  • 2020.04.28
  • Part.37 【番外編】
    2020・4・13 トーナメント面白話 1 ニワトリとタマゴ
  • 2020.03.12
  • Part.35
    2020・3・12 大城さつき 新春インタビュー
  • 2020.02.27
  • Part.34
    2020・2・27 黄アルム 新春インタビュー
  • 2020.02.13
  • Part.33
    2020・2・13 李知姫 新春インタビュー
  • 2020.01.15
  • Part.32
    2020.1.15 村口史子 近況インタビュー(インタビュー日:12月10日)
  • 2019.11.28
  • Part.31
    2019・11・18 李 知姫 近況インタビュー
  • 2019.11.28
  • Part.30
    2019・11・15 大城さつき 近況インタビュー(インタビュー:11月15日)
  • 2019.11.21
  • Part.29
    2019・10・30 浅地洋佑 近況インタビュー
  • 2019.10.25
  • 【特別編】
    2019・10・21 黄アルム 優勝インタビュー
  • 2019.09.19
  • Part.28
    2019・9・2 O.サタヤ インタビュー
  • 2019.08.01
  • Part.25
    2019・7・25 飯島茜インタビュー
  • 2019.07.18
  • Part.24
    2019 大城さつきインタビュー
  • 2019.06.20
  • Part.23
    飯島茜プロへの特別インタビュー!
  • 2019.06.13
  • Part.22
    2019 浅地洋佑インタビュー
  • 2019.05.30
  • Part.21
    2019 李知姫インタビュー
  • 2019.05.17
  • Part.20【特別編】
    チームオノフ浅地洋佑 歓喜の初優勝インタビュー
  • 2019.05.10
  • Part.19
    チーム・オノフMENS 開幕戦インタビュー
  • 2019.04.26
  • 【特別編】
    李 知姫プロ、『KKT杯バンテリンレディスオープン』優勝
  • 2019.04.19
  • Part.18
    黄アルムプロインタビュー
  • 2019.03.22
  • Part.17
    2019 開幕戦とツアー展望コラム
  • 2019.03.15
  • Part.16
    2019国内女子プロゴルフツアー開幕
  • 2018.12.27
  • Part.15
    2018 女子プロ座談会
  • 2018.12.14
  • Part.14 伝 昌夫氏
    2018 ゴルフツアーに想う
  • 2018.11.16
  • Part.12 O・サタヤ
    アベレージゴルファーへ、スコアメイクに役立つアドバイス。
  • 2018.11.09
  • Part.11 O・サタヤ
    ツアーでの心構え、トレーニング、アイアンショットのポイントなどをインタビュー。
  • 2018.11.2
  • Part. 10 大城プロ
    飛距離アップやアプローチへのアドバイス。キーワードは「シンプル」。
  • 2018.10.26
  • Part. 9 大城プロ
    国内女子ツアー終盤戦に向けて、目下の目標とは。
  • 2018.10.19
  • Part. 8 飯島プロ
    最高のパフォーマンスを発揮する秘訣を飯島プロにインタビュー。
  • 2018.10.05
  • Part. 7 飯島プロ
    ツアー後半戦への意気込みや新「オノフドライバー赤」を語る。
  • 2018.09.21
  • Part. 6 李プロ
    NEW 赤への想い、飛距離UPの練習法、アプローチの考え方などを語る。
  • 2018.09.05
  • Part. 5 李プロ
    李プロ 新「オノフドライバー赤」で日本タイトル2年連続Vの偉業へ挑む!
  • 2018.08.09
  • Part. 4 李プロ
    稀代のショットメーカー李プロにインタビュー。
  • 2018.05.31
  • Part.2 大城プロ
    新たにオノフ契約プロとなった大城プロにインタビュー。
  • 2018.05.07
  • Part.1 片山プロ
    開幕前トレーニング、今シーズンの手応えをインタビュー。