2020.01.15
今季国内女子ツアーは最終戦まで賞金女王タイトル争いがもつれ込み、注目を集めながら幕を下ろした。樋口久子の「全米女子プロゴルフ選手権」優勝から42年ぶりに渋野日向子が世界メジャー「全英女子オープン」を制したことで女子ツアーは盛り上がった1年だった。一段と人気を博している女子ツアーをTVトーナメント解説やラウンドリポーターとして見守って来たのがチームオノフの村口史子。自身も選手としてレジェンズツアーに参戦し、今季初のホールインワンを達成している。そんな村口にこの一年を振り返ってもらった。
- 今年もまた多忙な一年を送られましたが、まずは女子ツアーを総括して頂けますか。
村口一言でいうなら「時代が変わった」ですね。たとえば賞金シード選手は50名ですが、今年は一段とその顔触れが変わりました。初シード選手が過去最高の13人。平均年齢は過去最年少の26・3歳で、初シード選手の平均年齢は22・53歳です。シード選手の低年齢化がより進んだ観が強い。
そして、42年ぶりに日本人選手、渋野日向子選手が世界メジャーである「全英女子オープン」を制しました。個人的にもその現場に居たので本当に感動しました。
- ラウンドリポーターを務める傍ら、選手としてもトーナメントに出場しましたよね。
村口はい。皆さん、ご存知かしら(笑)? 45歳以上の女子プロゴルファーを対象としたLPGAレジェンズツアーというものがあって、2019年は4試合が開催されたのです。
- 確かその1試合でホールインワンを達成したと聞きましたが。
村口10月に行われた「火の国レジェンズオープン」初日、16番パー3ホールです。試合では初でしたね。
- これまでホールインワンの経験は?
村口6、7回くらいでしょうか、回数は記憶していません。でも、今回はホールインワン賞金50万円を頂戴したので、しっかり記憶には残りますね。アマチュアゴルファーの方がとは違ってツアープロはホールインワン保険には入れませんから、お裾分けはできませんが、友達にはご馳走しました。できれば優勝したかったですね。
- 賞金シード選手の中には韓国人選手が少なくありません。その理由は一体、何でしょうか?
村口これだとは断言することはできませんが、聞いた話によると韓国ではスイングの奇麗なジュニアを選抜して育成しているそうです。私が現役選手だった2000年頃のことですが、オーストラリアへ合宿に出掛けたのですが、そのコースに韓国のジュニア選手たちも居たのです。その練習ぶりを見て驚いた記憶があります。朝から夕方までずっと練習場でボールを打っている。私が帰る時でもまだ打っていたほどですから、夕方ではなく夜までといった方が正しいかも知れませんね。もちろん、スイングレベルの高さも見逃せません。
- 奇麗なスイングをしているジュニア選手が一日中、ボールを打ち続けている。そんな選手がプロ転向したら実力も体力も、それに精神力も並大抵ではありませんね。活躍している理由がおぼろげながら理解できます。
ラウンドリポーターとして村口プロは、選手のスイングのどの部分を意識的にチェックしているのですか。
村口下半身の動きでスイング全体のリズムです。下半身が使えていないと上半身を上手く動かすことはできないからです。
他には大きな筋肉を使えているかどうかですね。緊張した場面で小さい筋肉は動かせますが・・。たとえばパットでは小手先でもボールを打つことはできても再現性には欠けます。大きな筋肉を動かしてこそプレー再現性は高まりますから、どこをどの筋肉を使っているかが重要になって来るのです。
- 村口プロはパット名手と言われていますが、アマチュアゴルファーへのアドバイスを頂けますか。
村口イベントやコンペでレッスンすることが少なくありませんが、多くの方がショットラインを明確には定めてはいない傾向が強いですね。どんなに短い距離でもパットラインをしっかり定め、そのラインに対してパターフェースをスクエアにセットして構えることがとても大切です。打ち方はそれぞれの感性や体の柔軟性が違いますから型にハメるのは難しい。しかし、パットライン設定とパターフェースのスクエアセットは基本中の基本だと思います。
- 距離感を出す打ち方は?
村口私は感性を最優先させてパットするタイプですから(笑)。まずは練習しながら感覚を磨くことですね。
- 2020年はラウンドリポーターだけでなく、選手としての活躍も楽しみにしています。
村口はい、頑張ります。ホールインワンよりも優勝の方が皆さんに喜んで頂けますからね!