2021.12.27
2021年の国内ツアーは全日程を終了した。チームオノフでは浅地洋佑プロがマイナビABC選手権で今季初優勝を飾り、ツアー通算3勝目を挙げた。女子では李知姫プロが賞金シードを保持したものの、黄アルムと大城さつきプロは賞金シード落ち喫してしまった。だが、来季のツアー出場優先順位を決めるファイナル・クォリファイングトーナメント(QT)で上位に食い込み、ツアー前半戦の出場資格を得ている。チームオノフメンバーそれぞれに今季を振り返り、来季にかける熱い思いを語ってもらった。
大混戦となったマイナビABCチャンピオンシップ最終日。17、18番ホールでの連続バーディー奪取で逆転優勝を果たした浅地洋佑プロのインタビューからお届けしよう。
- 目標とする年間1勝をマークできましたね。
浅地 応援ありがとうございました。お陰様でツアー終盤に1勝を挙げることが出来て良かったです。ゴルフ日本シリーズに出場できましたし、予選通過を果たせませんでしたが、全米オープンにも出場できて世界のレベルを肌で感じられたのはとても大きな収穫になったと思っています。
- 来季への課題は?
浅地 世界で戦って行くためには、さらなる飛距離アップが必要だと感じています。それと、得意不得意のコースがハッキリしてしまった感がある。不得意コースを失くして行かなければならないと思っています。
- 優勝したマイナビABCチャンピオンシップの開催コースは得意だったのでしょうか。
浅地 得意でも不得意でもありません。ただ、例年はグリーンが速くて軟らかい傾向にありますが、今回は高速グリーンながらグリーンが硬かった。それにうまく対応出来たことが優勝につながったと思います。
- 来季の目標を教えてください。
浅地
まずは年間1勝以上、ゴルフ日本シリーズ出場、できれば日本タイトルを奪取したいですね。コロナ禍で世界の情勢は不確かですが、チャンスがあれば海外トーナメントにもまた挑戦したいです。そのためにもワールドランキングを上げなければなりませんし、優勝や上位での成績をさらに多くしていくことが不可欠だと考えています。
来季は日欧合同開催の試合がありますが、その試合で優勝したなら限界への門戸が開けるので、そのチャンスを生かしたいです。
- そのための準備として今オフは、何を強化して行くのでしょうか。
浅地 体力作りと飛距離アップのための筋力アップです。
- 来季開幕戦でひと回りもふた回りも大きくなった浅地プロの姿を楽しみにしています。
浅地 頑張ります!
賞金ランキング49位で来季の賞金シード権を確保した李知姫プロ。2001年からの連続賞金シード入り記録をさらに更新する形で来季を迎える。
- 賞金シードをキープ出来て本当に良かったですね。
李 ありがとうございます。コロナ禍によって20年と21年とが統合され、長丁場のシーズンとなりました。そんなある意味、変則的な日程に変わりながらも賞金シードを取ることができて良かったです。ただ、シーズン後半に入ってからは調子がなかなか上がらず、思うような成績結果を出せず、1勝を挙げられなかったことが悔やまれます。
- 来季は、まず1勝することが目標になりますね。
李 日本タイトルの奪取は毎年掲げている目標ですが、とにかくまずは1試合でも早く1勝したいですね。そのためにもオフは、いつも以上に力を入れて行くつもりです。オフシーズンにゴルフの調子も上げて開幕戦を迎えるつもりです。
- オフの目標課題は?
李 今シーズンは全体的にパットが良くありませんでしたから、パットの調整に時間を費やすつもりです。ショットとしては、100ヤードから130ヤードまでの距離が課題です。ショートアイアンでのショット精度を高めて、バーディーチャンスをもっと増やしたい。それを生かすためにもパット力のアップが必須だと考えています。
- 来季での活躍を期待しています。
李 ありがとうございます。
ベストテン入り1回に終わり、黄アルムプロは賞金シード権を手放す形になってしまった今シーズン。しかし、プラス思考で来季をしっかり見据えている。来季のツアー出場優先順位を争うファイナル・クォリファイングトーナメント(QT)結果は6位。ツアー前半戦は、ほとんど出場できる順位を確保している。
- シード権を保持できなかったのは誤算でしょうか。
黄
コロナ禍で新たな経験をたくさん味わった感じですね。確かにシード落ちは結果として良くなかったように思われるかも知れませんが、私はマイナスに考えていません。スイングを見直したり、研究したり、あるいは体の動きをチェックしたりする良い機会を得たと思えるんです。
そのお陰でQT6位に喰い込めて、来季ツアー前半戦の出場資格は確保できました。それで十分かも知れません。今季の様々な経験を生かして来季を迎えたいです。
- 来季に向けてのプランは?
黄 例年どおり海外で合宿したいところですが、情勢が許してはくれそうにないので、今オフは日本で合宿して基本を整えようと思っています。長丁場でも崩れないプレーをするためにもスイング精度を高めたい。開幕戦から徐々に調子を上げて行き、メジャー第1戦目で一つ目の山場にしたいですね。
- 復活優勝を期待しています。頑張ってください。
賞金シード落ちを喫してしまった大城さつきプロだが、QT16位で黄アルムプロと同じく来季ツアー前半戦での出場権は獲得している。不振からどう復活したのだろうか。
- 今季は不振が続いたようですね。
大城 辛かったと言えば確かに辛かったですね。成績を出せないシーズンでした。でも、QTで好結果をだせたことでひと安心しています。
- 不振の原因は?
大城
何をどうしたら良いのかがまったく分からず、もうこれ以上、下はないってくらいのどん底状態でした。うまく打てないアマチュアゴルファーの気持ちがよく分かりました。
今までゴルフに対して悩んだことは一度もなかったんです。教わったことはすぐに出来ていたのに、今季に限ってそれが出来ない。「クラブは上げて下ろせばいい」タイプが悩みに悩んでしまったのです。どこへクラブヘッドを振り上げたら良いのか、バックスイングの仕方さえも分からなくなりました。
飯島茜プロに救いを求め、スイングを見て頂いたら、構え方もグリップに握り方もおかしくなっていると……。様々なアドバイスを受け、一つひとつしっかりできるように練習したことで、調子が悪くなっても踏みとどまれるようになり、ラウンド中でも修正できるようにもなりました。
結果は出せませんでしたが、自分がこれからもっと成長するために何が必要なのかを明確に認識できたシーズンだったとように思います。飯島プロに教わって結果を出せたことで、自信にもなりました。このオフにさらにスイングを固めて行こうと考えています。
- 不振というピンチを成長とプラスに変えられた一年だったのですね。
大城 はい。初シード獲得時は、ただの勢いでしかありませんでした。今はスイングに対する引き出しが増えた。この歳になってもまだまだ成長できる、伸びしろがまだあると感じました(笑)。プレーしながら周りを見られるようになったのも大きいですね。
- 来季の目標は?
大城 ひと皮剥けたと思うので、結果も出せると思います。その延長線上にツアー初優勝がある。夢実現に向けて頑張ります。だって、どん底から脱出できたのですから、あとは上がるしかないですからね。
- 初優勝という頂点にぜひ立ってください。期待しています。