2021.11.18

[Part. 47]

2021・11・12 浅地洋佑 優勝インタビュー

チームオノフ浅地洋佑が「マイナビABCチャンピオンシップ」で逆転優勝を飾り、今季初優勝。ツアー通算3勝目を挙げてツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズ」の出場資格も獲得した。「目標を達成してひとまずホッとしています。好調さを持続できているので、残り試合でも優勝争いに加わって、できればそのチャンスを再び生かしたい!」。優勝インタビューで浅地はさらなる活躍を誓った。

-  今季初優勝ですね。おめでとうございます。勝因から話して頂けますか。

浅地 おおよそ3つあります。まずはパットが復調したこと。ウェッジ5本のクラブセッティングが奏功したこと。3つ目はオノフ黒ドライバーが実力を発揮してくれたことですね。ツアースタッフにもお礼を言いたいです。有難うございます。

-  まずはパット復調について、もう少し詳しく教えてください。

浅地 ショットの調子は、ホントずっと良かったんです。たとえば逆転優勝したマイナビABC選手権の前週の試合(ISPS HANDA)では、第3ラウンド終了時点まで平均パーオン率が1位でした。

-  グリーンは確実に捕らえていたのですね。

浅地 グリーンにただ乗っただけではありません。ピンに絡んでいたのです。それなのにバーディーパットが決まってくれない。その繰り返しでした。最終日の第4ラウンドではバーディーが先行したものの、その後は入ってくれなかった。

- バーディーパットを外してばかりではプレーのリズムが出ない。ストレスが溜まるだけでしょうね。

浅地 そのとおりです。チャンスをモノにできない悔しさ、もどかしさからスイングのリズムも変わってしまい、ショットが曲がる。悪循環でしたし、お陰でパーオン率も成績順位も下げてしまう結果でした。

- 不調パットが翌週になったら、突然良くなったのですか?

浅地 簡単に言ってしまえば、そうかも知れません。実は第2ラウンドのスタートホールでバーデイーチャンスを作れたのです。相変わらずショットは好調でしたからね。距離は3メートルほど。ラインを読み、構えた時にクロスハンドで打ってみようと思い立ち、実践したら入ってくれた。それで「パットはクロスハンドで行こう」と決めたのです。パット不調の原因を追究して、パターヘッドを引っ張り込むようなストロークに陥っていたことに気づいたのです。
ストロークを修正するとともにパターをL字タイプに変えました。L字パターなら、ストロークの良し悪し=引っ張り込んだとか、押し出しとかがボールに如実に表れるからです。

- 試合中、それもスタートホールのグリーン上で握り方を変えるとは勇気ある行動です。しかし、その決断が優勝を導いたとは…。

浅地 勝ったからこそ、勇気ある決断と言えるんでしょうね(笑)。それでも順風満帆にスコアを伸ばせたわけでもありません。最終日のラウンド中も様々なトラブル、ピンチがありました。
一番印象に残っているのは7番パー4ホールです。2打目のボールのライが良くなかった。バンカーの砂が飛び散った後のようなライでした。それをロフト62度のウェッジで打ち、ベタピンのバーディーチャンスに着けられた。ロフト58、59度では打てない、ロフト60度以上だったからこそピンに絡められたと思います。その時に4本ウェッジにして良かった。今日は勝てるかも知れないと感じました。

- ピッチングウェッジ(飛距離目安135ヤード)の次がロフト48度(同125ヤード)、同52度(同110ヤード)、同57度(同97ヤード)、同62度(同80ヤード)というウェッジ5本のセッティングでしたよね?

浅地 はい、そうです。ロフト62度は60度を、57度は56度のロフトを増やすチューンでツアースタッフに作り上げて頂きました。全米オープン出場を前にして、タフなコースセッティング対策として取り入れたのですが、ショートゲームでの距離感精度が高まり、寄せ方のバリエーションも増えたので、全米オープン以降5本ウェッジで戦っています。

- 勝因3つ目のオノフ黒ドライバーに関しては?

浅地 とっても良いドライバーですよ!ボール初速は速まったし、スピン量が減ったことでキャリーは伸びましたし、イメージしたショットが打ちやすい。大きめのヘッドですが、捕まり過ぎることもなく、違和感なくスイングできる。とにかく飛距離が出て、しかもフェアウエイを捕らえられるので2打目の景色が違うし、ストレスがありません。

- 手にした時からジャストフィット、オンリーワンドライバーだったのでしょうか。

浅地 即エースドライバーとなったわけではありません。シャフトタイプを変えたり、シャフト長を長くしたり=たとえば47インチも試してみました。でも、あれこれトライしているうちにバランスが悪くなってしまい、春先の45・75インチに日本オープン開催週から戻したらショットが俄然落ち着いたのです。ISPS HANDAで思った球が出るようになりました。

- 勝つためのスペックが徐々に揃い始め、そして本戦でのパットグリップの変更で逆転優勝を引き寄せた感じですね。毎年、浅地プロは年間1勝、ゴルフ日本シリーズ出場を一つの目標に掲げていましたが、それを逆転優勝で一気に達成しましたね。

浅地 同期の杉山知靖選手のツアー初優勝で刺激を受け、香妻陣一朗選手が上位争いをずっと続けていたことも発奮につながったと思います。
ツアーは残り3試合ですが、優勝争いに加われるようにし、チャンスがあれば攻めゴルフでもう1勝したい。ゴルフ日本シリーズは地元開催なので、やっぱり活躍したいし、勝てたら最高ですよね。頑張ります。

- 再び年間2勝達成を期待しています。頑張ってください。

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